美少年は危険 ページ3
その後、私は翼に夕く...夕との間の会話を隠すことなく全部話した。
だって隠す理由もないものね。
「ふーん...じゃ、アーヤに一つ教えてあげる。」
「気安く男に下の名前で呼ばせちゃダメ。特にアーヤは中学生の女の子なんだから気をつけなきゃ。」
え...なんで?私だって翼のことは翼って呼ぶじゃない。
「んー...そーじゃない。だってアーヤ、あいつと会ってそんな時間は経ってないでしょ?」
学級委員の会議で自己紹介はしたけど、実際に活動をしたのは...今日が初めてだったかも。
「男はあんま感情を表に自分を出さないの。格好つけるのが当たり前なんだから。まだ詳しく知らない人には簡単に心を開いちゃいけないよ。わかった?」
そうなんだ...男の子って謎だぁー。
だって相手が女子だったら「仲良くなる第一歩」=「下の名前で呼ぶ」って感じだもん。
「わかったら、ほら、ホームルーム始まるよ。席に座った方が良いんじゃないの?」
翼に耳元でコッソリ言われて...!なんと時計の針は8:30を指しているっ!
クラスメイトはどんどん教室に入ってきていて...もしかして注目を集めちゃってる?
それはやだっ!立花彩、ピンチですっ...!
あわあわして硬直していると、スッと翼が私の前に立った。
「立花。国語、教えてくれてありがと。今日は朝練が終わるの早くて誰も教室にいなくてどうしようかと思ってたんだ。たまたま一人でいた立花に、教えてもらえてよかった。」
はっ?!国語なんて教えた覚えないけどっ?!
翼の目が私の目をしっかりと捉える。
口パクで「合わせて」と言ってきた。
「マジで困ってたんだ。読書の邪魔して迷惑だったでしょ、ごめんね。」
そう言い、フッと視線を柔らかくし、微笑む。
周囲から、
「なぁんだ、立花から話しかけたんじゃないんだ。」
「翼から話したんじゃしょうがないよね。」
と言う声が聞こえ、私は胸をなで下ろした。
助かった!!
トンッと翼に背中を押され、解凍された私は自分の席へ戻り、座った。
ふと翼の座る方を見ると翼と目がバッチリ合う。
お礼を言い忘れたことに気づき、慌てて口パクで「ありがとう」と伝えた。
翼は何も言わず、パチッとお手本のようなウィンクをする。
なんか...美少年って危険...
頬が紅潮するのを感じながら私は心底そう思った。
―――――
橘綾
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黒木玲奈(プロフ) - 夏蜜柑さん» そうですね、書いてるときも思うほどです。wありがとうございます!頑張ります! (2018年8月25日 21時) (レス) id: 267fae23b3 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - 上杉君カッコイイ アーヤ自分の気持ちに素直になって!と思っていました更新頑張ってください応援しています (2018年8月25日 20時) (レス) id: fa082eb104 (このIDを非表示/違反報告)
黒木玲奈(プロフ) - *suzu*さん» 楽しんでいただいてるようで、幸いです!ありがとうございます、作者一同頑張ります!これからも、どうぞ夏色をよろしくお願いします。 (2018年8月25日 11時) (レス) id: 267fae23b3 (このIDを非表示/違反報告)
*suzu* - すごくドキドキさせてくれるお話です!榛名くん, 上杉くんがカッコいい!これからの展開が楽しみです。まだまだ暑いですからお体に気をつけて更新頑張ってください。 (2018年8月23日 11時) (レス) id: a962bd5f54 (このIDを非表示/違反報告)
橘綾(プロフ) - 茉莉さん» コメントありがとうございます!そういっていただけて作者一同、大変うれしいです!皆様の期待に添えるよう、頑張ります! (2018年8月11日 18時) (レス) id: 785a5fde57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:上杉奏&美門智&橘綾&黒木玲奈 x他3人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aishou_kz
作成日時:2018年4月10日 21時