うらたさんは倦怠期

ケンタイキ ページ3

「バッカじゃねぇの」




涙を堪えて拳を作った俺は自室のベッドの中で呟いた。付き合って長年経つ相手、Aに酷い仕打ちをしてしまうばかりで辛かった。
今日の武道館ライブ。Aを見つけた時胸が熱くなった。Aが応援してくれていたから俺はここ迄上がれてきたんだと思った。嬉しくて、歌っている時にも涙を流してしまった。




「それなのに、なんでアイツは俺の事嫌いにならないの」




こんな酷い仕打ちを受けているはずなのに彼女は俺についてきてくれている。頭の中は疑問でいっぱいだった。






どうすればいいのかも分からず深夜2:30。
早く寝たかったが寝れなかった。一度リビングに行けば部屋の明かりは無く彼女の部屋からは寝息が小さく聞こえただけだった。
これからのことを考えるだけで不安になり坂田にLIN MEを送ることにした。







渉坂田、今起きてるか?







自分で送っておいて失礼だが坂田は秒で既読をつけた






坂田ん?なんかあった?





流石だな坂田。と思いながらカタカタとキーボードで文字を打った






渉Aに酷いことまたしちゃった。本当に俺最低なヤツだ。







そんなことないよ、と返信が来て少し安心したのかそのまま寝てしまった。次の日起きたら彼女は部屋の中に居なかった。

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