死神の隣

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一通り片付いた頃



有馬とAが何か話し合い、有馬からハンドサインが送られた



平子はそのサインを解読する



「(終了時間、地上、本局、待機)」



時計を見ると、入れ替わってから24時間が経過しようとしていた



「本日の任務は終了
士皇、理界、夕乍、瑠亜、璃兎、先に本局に戻るぞ」



平子も二人にハンドサインを送った



「(今一度ごゆっくり話合われて下さい)」








元の身体に戻った2人は向かい合わせになる



「企みは上手くいったかな」



「真逆自分から首を突っ込んで来るとはね
記憶を探らせて貰ったけど有馬君が隻眼の王で間違いない？」



「うん、それで隻眼の王だと知ったAは俺を殺すのかな」



有馬は惚れた女に殺される最期も良いかもと冗談か本気か分からない事を口にした



「まさか、有馬君が琲世を育てた事が無意味になる事はしないよ」



「ならAの目的は何？」



「……私の目的は君達の存在を救う事だよ」



それが右京さんと交した最期の約束だから









右京さんは白日庭の子供を駒とする為の最初の実験体であった



彼は有馬家の双子の弟として生を受けた



彼の母は【畜生腹】と言われる事を恐れ、周囲の人間に気づかれる前にまだ赤子の彼を捨てたのだ



捨てられた彼は白日庭で親無しの忌み子として扱われた



それに目を付けたのは和修常吉



常吉は白日庭の子の中でもずば抜けた身体能力を持つ右京さんに人間としての戸籍を与えた



コクリアの廃棄プレス場が無かった頃、まだ少年であった彼は廃棄が決定した喰種の処分を任された



数年経ち、17歳になると本局に入局した



そして和修の……Vの優秀な駒として活躍をした



また、秀才でもあった彼は後に和修のタブーを知る



【和修一族は人間に滅ぼされかけた】



彼はその人間は喰種が本能的に恐れ、血肉を口にすると喰種自身が滅びる事を独自に調べた



それから月日は流れ、討伐任務にて



「………君は、俺達の希望だよ」



和修を滅ぼせる存在の少女(わたし)に出会った









✱用語解説✱

畜生腹:
1回に二人以上の子供を産んだ女性を罵る言葉

和修は古くからある一族であるので、この差別用語も未だ使われているのなという勝手な想像です
不快な思いをされた方がいたらすいません

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