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番外 素直になって ページ9

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「……」



『……』





サスケとAはお互いの顔を覗き込むように見つめていた。

Aは眉間に皺を寄せて腕組みをする。





『……何でこうなった?』





Aは、明らかに機嫌が悪い声でサスケを睨む。

睨まれたサスケは肩をビクつかせて、頬を搔く。





「さ、さぁ〜……何でだろうねぇ〜……」





あははと苦笑いするサスケを、Aは舌打ちして睨んだ。





事の始まりは数分前になる。









.









今日は第七班でDランク任務をすることになった。

当然、私は集合場所へ向かっている。

今日は遅刻しないようにちょっと早めに家を出た。



すると、今日はたまたまサスケと道でばったり出くわした。





――正確には、私は普通の道を歩いていたのだが、茂みの陰からサスケが飛び出して来たのだ。





その拍子にお互いの額が丁度ぶつかって、私たちは道に倒れた。









「いたた〜……ちょっとサスケッ! 何でそんなとこから出て来るの〜」



『チッ……ぼさっと突っ立ってんな、馬鹿!』



「えぇっ!? 何で私が怒られるの〜」





私は体を起こしながら自分の額に手を当てた。

すると、額当てに触れたのだ。



あれ?

おかしいな。

普段から私は額当てを首に巻いているので、額には何もないはず……。



不思議に思って顔を上げれば、目の前に同じく額に手を当てた私が居た。





「……あれ? 私?」



『何だ? 頭打って自分の名前を忘れたのか?』



「いやいや……え? ちょっと待って……あなたは誰ですか?」



『このウスラトンカチが、何ふざけて……』





目の前の私はこちらを見て、目を見開いて固まった。

お互いじっと見つめ合う。



バッとその場に立ち、自分の姿を再度確認する。

両手で自分の顔や体を触ってみる。



服装が違う。

髪型も違う。

自分の声がサスケのもので……。



目の前に居る私は、自分の両手を見ながらぶるぶる肩を震わせていた。



こんなに絶望した自分の顔を初めて見た、と私は心の中で思った。





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パパピコ(プロフ) - こんなに笑ったの久しぶりです!!更新待ってます! (2021年12月5日 16時) (レス) @page15 id: 052e43ac22 (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - めっちゃ面白かったです。次の更新待ってます!!式神使いの主は一体何者なのか?そして、これからどうなるのか楽しみです (2021年9月16日 23時) (レス) id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
ueioeaiaa(プロフ) - めちゃくちゃ好きです!何度も読み返したりしてます。更新無理なく頑張ってください!応援してます (2020年11月30日 7時) (レス) id: 213146568a (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新楽しみです!もしできれば、オチはサスケでほしです! (2020年11月25日 0時) (レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネコ助 | 作成日時:2020年11月24日 22時

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