御咄10 ページ10
*セトside*
「キド、……大丈夫っすか?」
キドを部屋へ運んでベッドに寝かせた俺は、ポケットから出して渡した鹿のイラストが描かれた緑色のハンカチで涙を拭いているキドにそう尋ねた。
「……っあぁ、ありがとな」
「肩以外で、痛い所はあるっすか?」
「……頭」
「頭? ……あぁ、カノが強く押した時に壁とかにぶつけたんすかね? じゃあ今湿布とか持ってくるっすから、ちょっとだけ待っててくれっす!」
俺がそう言うと、キドは「コレ、ありがとな」と言ってにこりと笑い、ハンカチを返す。
キドって、カノがいないとちょっと可愛い……って、何考えてんすか俺!!
そう思いながら部屋を出ようとベッドの近くにあった椅子から立ち上がった時。
「なぁセト、……湿布はいらないから」
キドは俺の緑色のつなぎの腰辺りを掴んで引っ張り、俺の腰に手をまわして抱きしめてきた。
「……少しの間、こうしていたいんだ」
「!! ちょ、キド!? なっ、何してんすか……!!」
「ダメ、か?」
突然の出来事に驚いて硬直しているとキドが使っているシャンプーの香りがほのかに匂い、心拍数が加速して頭が真っ白になる。そしてキドはそう言うと、俺の腹に埋めていた顔を上げて見つめてきた。
ど、どうしよう……キドのデレが美味しすぎて堪らないっす!!
「い、……いいっすよ」
「ん、ありがと」
ニコリと微笑むキドは、そう言って再び俺の腹に顔を埋めた。
……今ならカノは夕食を作ってるし、ちょっとだけなら……いいっすよね?
そう思った俺は、そっとキドを抱きしめて頭を優しく撫でる。
――それから数10分が経った時、突如キドの部屋のドアが静かに開き、俺はドアの方を見た瞬間、血の気が引いていくのを感じた。
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作者名:天ノ川夜月 x他1人 | 作成日時:2016年8月31日 15時