御咄7 ページ7
「う、嘘だよね? ……ねぇ幸助、――嘘って言ってえぇぇえ!!」
そこには頭から血を流し、ナイフや斧を片手に持った少年少女達が不気味な笑みを浮かべていた。僕は恐怖のあまり、足の力が抜けて動けなくなってしまう。そうしているうちにも少年少女達――お化け達はガタガタと震える僕にゆっくりと近づいてくる。
頭の中で、サイレンが静まる事なく鳴り響く。
「っ、……修哉逃げるっすよ!! 俺にしっかり掴まるっす!!」
「えっ? うわっちょっ、どこ触って……ひゃあッ!!」
そう言ったセトは僕の前でしゃがみ、僕のお尻を両手でガシッと掴んで立ち上がって走り出す。
せっ、セトの指が僕のお尻の穴に入ってるッ……!!
そう思いながらセトの男らしい背中に顔を埋めていると、僕達はいつの間にかお化け屋敷を出ていた。
「しゅっ、修哉もう立てるっすか……?」
「あぁ、うん……ありがとね……って、あれ? キドとマリーから連絡入ってたらしいや。『キドが体調悪いらしいから、先に2人で帰ってるね! byマリー』……だってさ」
「そっすか……じゃあ最後に、観覧車乗るっすか?」
「もちろん!! ……よしっ、行こう幸助!」
そう言って僕はベンチから立ち上がり、ぐっと伸びをしてセトと腕を組んで観覧車乗り場へ向かう。そろそろで閉園時間だからなのか、比較的空いていてすぐに乗る事ができた。
セトは僕の正面に腰掛け「夕日が綺麗っすね〜!」と言いながら、窓から鹿が描かれたカバー付きのスマホをオレンジ色の夕日に向け、幾度もカシャカシャと音を立てて写真を撮っている。
「……ねぇ幸す――」
「あっ!! 夕日に雲がかかっちゃったっす……でも、これはこれでアリっすね!」
話、遮られた……セトは僕よりも夕日を撮る方が大切なの?
さっきからセトは夕日を撮る事に集中して、僕の方をちっとも向いてくれない。……せっかくのデートなのに。
気がつくと僕は、立ち上がってゆっくりとセトに歩み寄っていた。
「? 修哉どうしたん――」
「夕日だけじゃなくて僕の事も見てよ!!」
「えっ、ちょ……修哉? んッ」
僕はそう言ってセトが持っているスマホをソファーに置き、両手首を窓に押さえつけて半ば強引にキスをした。
「幸助は……ッ僕だけを見てればいいの!!」
声を張り上げてそう言うと、僕とセトの口の間で夕日の光を浴びたオレンジ色の糸が伸びた。そして僕は呆然とした表情でいるセトに再びキスをし、舌を幸助のと絡ませる。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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作者名:天ノ川夜月 x他1人 | 作成日時:2016年8月31日 15時