【カゲプロ】セトとカノの恋愛事情。*１* (ページ6)

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御咄６ページ6

｢あっ、今度はアレに行きたいっす!!｣

｢ん～、なになに～？ ……って、えﾞっ｣

セトは、僕と繋いでいる手とは反対の手でアトラクションを指差してそう言う。
――それは、僕が一番苦手な物だった。

｢あ、修哉は苦手だから無理っすよね？ ……お化け屋敷｣

｢えっ、……ぅ｣

セトはそう言って僕の手をぎゅっと握り、しょんぼりとした表情で俯いてしまう。
そうだ、せっかくのお出かけ……しかも初デートなんだからセトを悲しませちゃいけない……!!

｢だッ、大丈夫だよ！この前１人で入ってみたら大丈夫だったし、今は幸助が一緒だし!! ほら、行こ？｣

そう言ってセトに笑顔を見せた後、僕達はお化け屋敷に入った。
そして僕がセトの右腕を掴んでベッタリとくっついたまま中を歩いていると、セトが口を開く。

｢……やっぱり修哉、強がってたんすね。こんなに俺にくっついちゃって……暑いんすけど｣

｢っ!! べッ、別に怖くなんか――｣

｢あっ!! あそこにユーレイがいるっすよ！｣

｢ひいぃッ!? こっ、来ないで!! 悪霊退散っ、悪霊退散っ……!!｣

僕はセトに抱きつき、ひたすらに｢悪霊退散｣と唱え続ける。すると、何故かセトはクスッと笑った。
……何でこんな状況で笑えるんだろう。

｢修哉、今のは冗談っすよ！｣

｢……へ？｣

｢だから、冗談っすよ！ホント、修哉はからかい甲斐があるっすね～！｣

｢じょっ、冗談!? もうっ、幸助のイジワルー!!｣

そう言って僕はセトの男らしい胸板を拳でポカポカと叩いて頬をぷくりと膨らませた。そしてセトはそんな僕を見てクスクスと笑い、僕のおでこにキスを落とす。

｢ごめんごめん、さっ修哉行くっ……て、修哉後ろっ……｣

｢？なに？あっ、もしかしてまた僕を騙そうとしてるんでしょ？僕はもう引っかからないんだからねっ!!｣

｢いや、だから本当に修哉の後ろにいるんすって……｣

僕は笑顔でそう言うが、それとは裏腹にセトは冷や汗をかいて僕の後ろを見ながら後退りをしている。まさかとは思いつつ、僕はゆっくりと振り返る。
それを見た瞬間、僕は｢ひっ｣と小さく悲鳴を上げた。