御咄5 ページ5
「キドー! 早く乗ろうよーっ!!」
マリーは僕達に大きく手を振り、笑顔でウサギのように飛び跳ねていた。そしてキド・マリーは後ろから2番目、僕とセトは一番後ろに座ってバーを下ろして装着する。
「キド、大丈夫? 無理しないでね?」
目の前に座るキドにそう言うが、聞こえてくるのは「おおお俺は団長……だだっ大丈夫だ……問題ないっ……」という独り言。
……呪文にも聞こえるけど。
キドの心配をしていると遂にレーンが動き始め、その反動でキドは驚いて「ひぃっ!!」と悲鳴を上げてガタガタと震え始めた。
何か、僕もヤバいかも……。
「カノ、……顔ひきつってるっすよ? あと、汗凄いっす」
「そ、そう? 今日は暑いからねぇ〜……」
「いや、今日は大分涼しい方っすよ? やっぱりカノも怖いんすか?」
「ここっ、怖くなんかないよ? 大丈夫っ――ぎゃぁぁぁあぁ〜〜!!」
セトとそう話していると、レーンが一気に下降し始めた。僕はバーをぎゅっと持ち、落ちる事はないがバーを強く握って強風で飛ばされないようにし、目を瞑る。周りからは2人の叫び声が聞こえる。
……ん? 2人?
そう疑問に思っていると、突如唇に生暖かい感触を感じた。驚いて目を開けてみたが、視界は何故か真っ暗。そっと舌を前に出してみると、ぬるっとしたものと僕の舌が絡み合う。
まさかとは思っていたが、これでもう理解できた。僕はセトにキスをされていたのだった。
……それから約1分後。
「キド〜……、大丈夫?」
「うぉぇっ……大丈夫……じゃない、無理だぁ……」
マリーがキドにそう尋ねるが、キドはベンチに横になってぐったりとしている。
まるで死んだ魚みたい、なんて言ったら後でフルボッコ状態になるから言わないけど。
キドのHPは0のようだ。ジェットコースターは強敵だ、今度からは近づかないようにしよう。
「どーしよっか〜、キドを置いていく訳にはいかないし……」
「あ! じゃあ私がキドと一緒にいるからまわってきてもいいよ!」
「で、でももしナンパとか誘拐とかされたらどうするんすか? マリー1人だと無理があると思うんすけど……」
「大丈夫!! その時は私、皆を石にしちゃうから!」
そう言ってマリーは両手で拳を作り、鼻息を荒くする。少し心配だが、僕とセトはマリーにキドを任せて遊園地をまわる事にした。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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作者名:天ノ川夜月 x他1人 | 作成日時:2016年8月31日 15時