【カゲプロ】セトとカノの恋愛事情。*１* (ページ11)

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御咄11 ページ11

｢え……幸、助……!?｣

｢……っ!!｣

部屋の出入口には、カノがドアノブを掴んだまま抱き合っている俺とキドを交互に見て驚き、立ち尽くしていた。

｢カノ、どうしたんだ？俺はセトに看病してもらっているだけだが｣

｢あ……カノ、誤解っす!! キドの言っている通り、看病していただけっすよ！｣

｢そ、そう……なの？｣

カノはそう言って、こてんと首を傾げる。そして俺が｢そうっすよ！｣と言って笑顔を見せた時、キドはフッと笑って口を開いた。

｢あぁ。だから俺はセトにこんな事をしてもいい、……よな？｣

『え？』

そう言うとキドは俺のつなぎをクイッと引っ張り｢ちょっとしゃがめ｣と言ってくる。そして言われた通りにしゃがんで目の高さを合わせるとキドは俺の両頬を手で包み込み、キスをしてきた。
突然の事で脳内はパニック状態に陥った俺は、口を離す事すらできず壊れて動かなくなったロボットのように、そのまま停止していた。

｢ちょっ、んッ……キド……ッ!?｣

｢……っん、はぁッ……好きだ……｣

キドはそう言うと、生暖かい舌を入れて俺のと絡ませてくる。それがカノに見られているにも関わらず、それでも俺は反抗できずにいた。
やがてキドは銀色の糸を伸ばしながら口を離してクスリと笑い、カノをちらりと見る。
カノは口を両手で押さえ、声を押し殺して大量の涙を流していた。

｢……それじゃ、俺は先にリビングに行っているからな。お前らも早く来るんだぞ｣

そう言ってキドは部屋の出入口へと向かっていき、そこに立っているカノの耳元で何かを囁いて部屋を出ていく。
俺とカノは、数分間キドの部屋で俯いて立ち尽くしていたのだった。