第156夜 どれも嫌です!! ページ9
顔を変えていた為、分からなくても仕方ないと思う。でも僕たち7人のことは騙すことはできないよ。
「何故、貴女が空白の7年間の事を知っているんでしょうね?」
「知ってちゃ悪い?」
「知りすぎていて気味が悪い」
「ふふ…、よく言われる〜」
それだけ言うと踵を返し、スタスタと何処かへ行ってしまった。
「はぁ、お疲れですA様」
「全く。これは今後揉めるぞ…」
よりによって彼が2代目なんて嫌すぎる。何かあって話し合いになったとき絶対お腹痛くなるやつだ、うん。
「それとフォカロル、さりげなく口を近づけてくるのは止めなさい」
「いいじゃないですか、守ったお礼にキスさせてください。いや、したいです!!」
「素直だな!!」
恥ずかしげもなく言うのは止めなさい!! 僕は君の将来が心配で仕方ないよ…。
そう言っても近づけてくるフォカロルの口を手で塞いで押し返すが、相手は相手で強行突破してこようとするわけで。
「君もそろそろ結婚しなよ…!!」
「結婚相手なら決まってます」
「そうかそうか!! 言ってみなさい」
抱きかかえられている状況では逃げるに逃げ出せなくて。
「A様に決まってるじゃないですか!!」
「丁重にお断りします!!」
「では、結婚前提にお付き合いしましょう!!断われば監 禁します。それか自分で自分を刺してA様にやられたと言いふらします」
「なにそれ怖い」
帰ってきて1番怖いと思ったのは今の彼の言動だ。いつもの女ったらし笑顔で凄い爆弾を投下してきたぞ。
「どちらがいいですか? 監 禁の場合、不自由ないように努めますから安心してください」
いやまず、監 禁の時点で安心も何もないんだけれどもね!!
「てか、そんな言葉いつ何処で覚えてきたの」
「秘密です」
もう怖い〜。秘密にするあたりが余計に怖い!!
何なのこの子!! 前まではこんなんじゃなかったのに。
…、まぁやり過ぎなところはあったけど。
周りに助けを求めようと見回すも、僕たちを置いて仲良く逃げたようで。何て奴らだ!!
「好きなんですよ!! 好きすぎて死にそうです。本当に苦しいくらい好きです!!」
「だれかー!!」
そう言い、僕を抱えたまま歩きだす。しかもその足取りは何だか軽やかで。
「俺の私室で今後のことを話し合いましょう」
「いや本当に待って!! 待てフォカロル!!」
空を見上げれば雲一つない青空が広がる世界。
久しぶりに己の身の危険を感じる瞬間である。
いやだーー!!
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千年彗星(プロフ) - 夢雪さん» 読んでいただきありがとうございます! そして泣いてくださるなんて…! アルマトラン編を好きと言ってもらえて嬉しいです、ありがとうございます! (2018年3月25日 20時) (レス) id: c15a2aa7e8 (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 悲しすぎるです!(´;ω;`)ウッ…すごく泣きました。無意識に気づいたら泣いてました。アルマトラン編私好きです。 (2018年3月25日 16時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - ティナさん» だいぶ落ち着いてきました(*^^*) 声をかけてくださり感謝感謝です!! それに加え何回も見てくださってるとは…!! ゴールデンウィークあたりにはできると思うのでそれまで待っていてくださると嬉しいです(*^^*) (2017年4月28日 12時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
ティナ(プロフ) - お久しぶりです! 落ち着いてきましたか? 何回も繰り返し見てます! 更新楽しみにしてます! (2017年4月27日 21時) (レス) id: c9a6aed029 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マロンクリームさん» コメントありがとうございます!! だんだん落ち着いてきたので更新もそろそろできると思います! これからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年4月23日 0時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千年彗星 | 作成日時:2016年6月25日 22時