第192夜 味方の数を求めよ ページ45
あぁ、もういい。
僕も隊員達の後を追ってこのまま死んでしまおう。
ソロモンかアルバ、どちらの味方にもつけなかった僕。
きっと、僕がとった選択は…。
1番してはいけない選択だったんだ…。
ーー
「だい…だ。今は…だけだ」
誰かの話す声が聞こえる。
誰だろう。
きっと僕は死んだから、隊員の誰かかな…。
「あぁ、なん…こ…だ。つら…だろ…A」
隊員の皆だったらいいな…。
名前が呼ばれたから目覚めないといけないと思った。
遠のいていた意識を手繰り寄せ目を開けたその先は…。
「…!! 」
「おお! 目が覚めたか!!」
「傷は痛むかA」
レイメスとセバスチャン。
僕の大好きな2人がそこにいた。
「レイメスが瀕死のお前を見つけて連れてきたのだ」
「危機一髪だったよな〜。俺がナイスキャッチで助けたんだぞ?」
普段通りに接してくれる彼らに、いろいろな感情が混ざって思わず手で顔を隠す。
「どうしたA。隠したら可愛い顔が見えないぞ〜!!」
あぁ、どうしよう。
どんな顔をしたらいい?
こんなにも優しくしてくれる2人。
刺された傷の手当てをしてくれ、己の身体で僕を寝かせてくれてる彼らに。
追放されました。
僕を追ってきたせいで隊員は全員死にました。
なんて、言えない…!!
「うっ…、あっうぅ…」
こんな僕に変わらず接してくれることが嬉しくて。でも、本当のことが言えない自分が悔しくて情けなくて。
「ごめん…なさい…!!」
僕はただ、謝ることしかできなかった。
「お前が謝ることはないぞ。お前の頑張りは俺らが知ってるからな」
頭を撫でてくれるその手に、ぽろぽろと余計に涙が溢れてくる。
「ねぇ、レイメスやセバスチャンは…、どっちの味方?」
ソロモンかアルバ。
僕はどっちの味方につけばいいのか分からなかったから、2人が選んだ方に僕もしたい。
なのに…。
「私達は、いつでもAの味方だ」
「ほら、もう寝ろ」
そんなこと言われたら。
また涙が溢れてきてしまう…!!
ーー
しばらくして2人も寝たことを確認した僕は身体を起こす。
2人は僕を行かせないために言わなかっただろうけど、もう世界決戦は始まってる。
胸に巻かれた包帯の下の傷が開かないよう、
気をつけながらその場を去る。
「ごめん2人とも…。でも、助けてあげたいんだ…!!」
世界には僕の味方でいてくれる者が2人もいた。
それを糧にもう一踏ん張りしてくるよ…!!
第193夜 優しさが狂気に変わるとき→←第191夜 向けられるは狂おしいほどの執着心
386人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
千年彗星(プロフ) - 夢雪さん» 読んでいただきありがとうございます! そして泣いてくださるなんて…! アルマトラン編を好きと言ってもらえて嬉しいです、ありがとうございます! (2018年3月25日 20時) (レス) id: c15a2aa7e8 (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 悲しすぎるです!(´;ω;`)ウッ…すごく泣きました。無意識に気づいたら泣いてました。アルマトラン編私好きです。 (2018年3月25日 16時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - ティナさん» だいぶ落ち着いてきました(*^^*) 声をかけてくださり感謝感謝です!! それに加え何回も見てくださってるとは…!! ゴールデンウィークあたりにはできると思うのでそれまで待っていてくださると嬉しいです(*^^*) (2017年4月28日 12時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
ティナ(プロフ) - お久しぶりです! 落ち着いてきましたか? 何回も繰り返し見てます! 更新楽しみにしてます! (2017年4月27日 21時) (レス) id: c9a6aed029 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マロンクリームさん» コメントありがとうございます!! だんだん落ち着いてきたので更新もそろそろできると思います! これからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年4月23日 0時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:千年彗星 | 作成日時:2016年6月25日 22時