第182夜 追放のマギ ページ35
僕にはどうしても勝てないものがある。
それはこの先、どう頑張っても勝てないんだろうな〜と思う。
シバとの話し合いが上手くいかない日々が駆け巡っていく。
それでもファーラン達は僕についてきてくれて。それを糧にすごく頑張れた。
アルバとも話そうと思ったんだけど、2代目に邪魔されて声を掛けることもままならない。
ウーゴも金属器の件で顔を合わせることは無かった。
「A様、これからこの世界はどうなるんでしょうか。俺、不安で…」
「でも、黒ルフさ。前より減ったじゃない。少しだけど、前進してるわよ」
ぽんぽん、と肩を優しく叩く彼女。
星の少ない夜空の下なのか、そんな行動はとても儚く見えた。
そんな夜空を仰いでいると、
「A、来て」
王宮の扉の前。
そこに続く階段の上からシバが僕を呼んだ。
ーピィピィ!!ー
(行かないで行かないで!!)
ーピィピィ!!ー
(止まって止まって!!)
嬉々と。
やっと話ができると駆け出したその者に。
ルフの悲鳴は届かない…。
「それを見て」
広い部屋の中心には長いテーブル。
その上に散らばるようにして存在する大量の紙。
「金、属器…?」
パラパラと目を通せば複雑な魔法式。
「ウーゴ達と金属器を作ってるの」
窓の外を見ていたシバと目が合う。
「�爛Α璽潅��瓩辰討海箸蓮�他にも誰かいるってことだよね」
「えぇ、��2代目�瓩�手伝ってくれてるわ」
2代目、その言葉を言った瞬間ピィピィ!! と激しく鳴くルフ。
「彼には感謝しかないわ。おかげで式典に間に合うもの」
「2代目が…。それって大丈夫? 」
「彼は信用できるのよ」
「僕は、早く完成することで後から彼等に利用されそうで怖い…」
彼はアルバの為なら何でもする人間だ。
人を殺せと言われたらやるだろうし、利用しろと言われたら手段なんて選ばない。
「彼はソロモンの味方なのよ!! ソロモンの思いも苦労も分かってくれる数少ない理解者の1人よ!!」
「シバ、」
「異種族だって嬉しそうじゃない!!私のしてることは間違ってないと彼も背中を押してくれる!!」
「でも、同胞は苦しんでるよ。式典より死者を悼む時間が…」
「貴女は式典の邪魔をしようとする!!ソロモンの邪魔をしようとする!!そんなの私が許さない!!A、アルマトランから出て行って!!」
それは予期せぬ言葉。
「A、貴女をアルマトランから追放します!!」
権力。
それは僕が唯一勝てないもの。
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千年彗星(プロフ) - 夢雪さん» 読んでいただきありがとうございます! そして泣いてくださるなんて…! アルマトラン編を好きと言ってもらえて嬉しいです、ありがとうございます! (2018年3月25日 20時) (
レス) id: c15a2aa7e8 (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 悲しすぎるです!(´；ω；｀)ｳｯ…すごく泣きました。無意識に気づいたら泣いてました。アルマトラン編私好きです。 (2018年3月25日 16時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - ティナさん» だいぶ落ち着いてきました(*^^*) 声をかけてくださり感謝感謝です!! それに加え何回も見てくださってるとは…!! ゴールデンウィークあたりにはできると思うのでそれまで待っていてくださると嬉しいです(*^^*) (2017年4月28日 12時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
ティナ(プロフ) - お久しぶりです！ 落ち着いてきましたか？ 何回も繰り返し見てます！ 更新楽しみにしてます！ (2017年4月27日 21時) (レス) id: c9a6aed029 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マロンクリームさん» コメントありがとうございます!! だんだん落ち着いてきたので更新もそろそろできると思います! これからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年4月23日 0時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千年彗星 | 作成日時：2016年6月25日 22時
