第195夜 失ったものは世界だけじゃありません ページ48
僕の手をルフ達が引っ張り、物陰から出そうとする。
「ウーゴ…!! 種族の長たちの前であんな発言するなんて、お前も僕を陥れたいんだね…!!」
引っ張られる手を力任せに振り払う。
あぁ、もう。
ピィピィうるさいなぁ…。
ーピィ!!ー
(A、危ない!!)
悲鳴にも似たルフの声に思わずボルグを張る。
このボルグはレイメスに教えてもらった特殊なもの。どんな攻撃だって受け付けない。
例えそれが、神のものであっても…。
「う…ん…?」
何らかの衝撃がくると思って閉じていた目を恐る恐る開ける。
そして。
次、僕の目に映った光景は死んだ世界だった。
「なに、これ」
地の砂は手に乗せようにも、パラパラと粉になってしまい植物が育つような環境じゃない。
視界の端で戦っていたあの人たちも地に横たわり、光を失った世界で死んでいた。
「たった一瞬で…、すごい…!!」
黒い太陽が昇る世界で。
不覚にも僕は感動してしまった。
「僕の忠告をあざ笑った奴等も、隊員が死んだのに何食わぬ顔で式典に参加してた奴も死んでる…」
僕は隊員の苦しみながら死んでく姿を見て、他人にも同じ思いをさせてやろうと思ったけど。
「みんな運がいいなぁ! 苦しまずに死ねたんだからよかったねぇ〜!! 」
叶わない今、すんなり死ねた事を喜んであげようと思う。
「でも生き残った奴もいるかもしれないな。こんな世界見て苦しんでるよね、殺 してあげた方がいいのかなぁ?」
「そんなことしなくていい」
誰にも聞かれてないと思っていたそれに、返ってきた声。
その声を聞いた瞬間にドクリと鼓動が跳ね上がった。
「ソロモン…」
すると僕の隣に腰を下ろす君。
「せっ責めるなら責めればいい!! シバを見殺しにしたことで何か言いたいんでしょ!? 」
神杖を胸の前で握り締め、身構えながら言い放つ。
「幾億人から責められようとも僕は構わない…。もうこの怨みの心から変わることはできない!!」
「お前にならできるさ。誰よりもルフに愛され運命の逆流を正す事のできるお前になら…。なんせ、俺を変えてくれたのはお前なんだから…」
ふっ…と微笑み。
僕の頭をぐしゃぐしゃに撫でるソロモン。
それから僕の髪をしばらく撫でた後、立ち上がって言うのだ。
「A。この世界の事は秘密な」
「…」
「これが俺とお前の�犧粘�の約束�瓩澄�
「待って!!逝かないでソロモン!!」
こうして、僕はまた1人戦友を失った。
第196夜 君が君であるために→←第194夜 誤解が解ける日はくるのでしょうか
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千年彗星(プロフ) - 夢雪さん» 読んでいただきありがとうございます! そして泣いてくださるなんて…! アルマトラン編を好きと言ってもらえて嬉しいです、ありがとうございます! (2018年3月25日 20時) (
レス) id: c15a2aa7e8 (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 悲しすぎるです!(´；ω；｀)ｳｯ…すごく泣きました。無意識に気づいたら泣いてました。アルマトラン編私好きです。 (2018年3月25日 16時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - ティナさん» だいぶ落ち着いてきました(*^^*) 声をかけてくださり感謝感謝です!! それに加え何回も見てくださってるとは…!! ゴールデンウィークあたりにはできると思うのでそれまで待っていてくださると嬉しいです(*^^*) (2017年4月28日 12時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
ティナ(プロフ) - お久しぶりです！ 落ち着いてきましたか？ 何回も繰り返し見てます！ 更新楽しみにしてます！ (2017年4月27日 21時) (レス) id: c9a6aed029 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マロンクリームさん» コメントありがとうございます!! だんだん落ち着いてきたので更新もそろそろできると思います! これからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年4月23日 0時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千年彗星 | 作成日時：2016年6月25日 22時
