【マギ】神出鬼没なマギ4.〜アルマトラン編.後編〜

第186夜 海が好きな月の王様 ページ39

僕は海が好き。

だってキラキラしてて、潮の匂いがしてたくさんの生き物が住んでて魅力的だもん。

だから最後に、この世界の海を一目見ておこうと思って向かってる途中なんだけど…。




「もう限界〜、うぅ…」

「気を確かに!!」

「朝、昼、晩。魚と果物、魚と果物!! 辛いよ〜、さすがに飽きるよ〜」



そして今夜も近場にあった洞窟で寝過ごす。

この果物、ちょっと食感変えることできないかな。成功すればこの負のスパイラルから脱出できる!!



ブスッと木の棒に果物を刺し、いざ火の中へ!!


パチパチパチ…。パチパチ!!



「うむ、そろそろ食べれそうかな?」



若干焦げ始めたそれ。
食べるんですか? という皆の視線を感じながらも実食。



「A様、美味しいですか?」

「…」

「不味かったんですね!? 無理に食べようとしなくていいですから、ほら。捨てましょう!!」

「うぅ。水分が、果物の水分が飛んで!! シャクシャクって変な音したぁ〜」



僕の手から取り上げたそれをポイっと外へ投げ捨てる彼。

魔法で作った氷の杯に、水魔法で注いだ水。
それを隣にいる彼女から差し出され一気飲み!!



「日に日に僕の舌が貧乏舌になっていく…」

「貧乏でもなんでも、A様と一緒なら幸せだもん私!!」


ぐで〜んと僕に寄りかかって来る彼女。
その目はとろ〜んとしてるから眠いんだろう。


「じゃあ、そろそろ寝ますか!!」


火の後始末もしっかりと済ませ、さっそく寝る準備にかかる。

と言っても布を羽織るだけなんだけど…。



「Aさま〜、寒い〜」


ぴとっとくっついて来る。


「私も寒いなぁ〜」

「じゃあ俺も〜」

「あっ! ずるいぞ!!」

「膝枕してくださいよ〜」


両脇を女軍、膝に男1人、お腹付近に男2人。



「じゃあ俺はここにしよーっと!!」


それはもう満面の笑みで言い放った君に言いたいことが一つ。



「なんで隊員で1番の巨体の君が、1番小さい僕の真上で寝ようとするのさ〜!!」



重い重い!!
下敷きになってる男子軍3人も悲鳴あげてるじゃないか!!


その後、散々誰がどこのポジションを取るか揉めるに揉めた。


そして訪れる安眠の時間。
ピッタリとくっついて寝る両サイドの彼女達に
寝相の悪い男子組。

ねぇ皆、
こんな僕の側にいてくれてありがとう。









だが、そんな静かな場に響く苦しそうな声が。


「うっ!! く…っ!!」


思わず心臓部の衣服をギュッと握り締めるが。

「はぁ…っ!!」

苦しみが治まる様子はなかった。

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