第107夜 世界はそれを宝石と呼ぶ ページ9
キラキラと眩い光を放つ色とりどりの石。
それは僕等が持っている神杖にも使われていたりする。
「おい!A!!お前が戦いに赴くなんて聞いてないぞ!!」
噂が広まるのは早いようで、僕が人員を募集してるのがもう彼の耳に届いたらしい。
「だって言ってないもん」
「お前なぁ…」
はぁ…と溜め息を零すソロモン。
いや〜、ソロモンに言わずに決行に移ったことは悪かったと思ってる!!心から謝罪しまーす。
すいませんでしたー。
「いいじゃないソロモン!!Aは強いもの。大丈夫よ!!」
僕の後ろからひょっこり顔を覗かせたシバ。
僕の身長はシバより少しだけ低いため、彼女に覆いかぶさられる状態になってるわけで。
「(むっ…胸が!!背中に!!)」
この子僕より歳が下だよね。なのに…。
なんでだよ!!なんでこんなに胸が大きいんだ!!
そんな事を1人考えてる合間に話に決着が着いたようで。
「あ〜もう!!やるからにはA、条件がある!!」
「条件?」
ソロモンの事だから人員の事、それとも戦いと地区を治める為の何かしらの条件?
そんな中、僕と視線を合わせ彼は言うのだ、
「必ず生きて帰ってこい」
と…。
「A、これ志願書」
「んぁ?あぁ、ウーゴ。悪いね…」
彼が持ってきたのは僕と共に戦う事を志願した者の所載。望んでないのに次から次へとこの紙の束が襲ってくる。
「凄いね!!この中からなら君と共に戦える人がいるよ!!」
ペラペラと紙をめくりながら目を輝かせるウーゴ。
「まぁ、これ全部却下するけど」
「え!?」
誰が発端か知らないけどこれには名前、何のために戦いたいのかなどの欄があり。
「敵を多く倒したい。敵を倒したい。敵を敵を敵を…」
「…、どれも同じだね」
あはは、と苦笑いを浮かべるウーゴと溜め息しかでない僕。
「でも何でそれじゃダメなの?結局は倒すんだし…」
「そうだね。でもね、ウーゴ」
手元にあった紙の束を彼の手に戻す。
「敵を倒す為に戦うことは誰にだってできるんだよ?」
「うん」
「でも、誰かを守るために戦うことは。そう、簡単にできないでしょ?」
眼鏡の奥の瞳が数回瞬きを繰り返す。
「僕はそんな人達と戦いたいんだ」
その輝く石のことを世界は宝石と名付けた。
でもその宝石は初めから輝いていたわけではないのだ。
沢山の石の山からその存在を見つけられ、人の手に渡り輝きをもつ。
きっと人もそう。
互いに輝きを見出せる仲間が必要なのだ。
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千年彗星(プロフ) - 青鷺さん» コメントありがとうございます!! 小説共々、頑張っていくので今後ともよろしくお願いします(*^^*) (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マリーネさん» コメント感謝です(*^^*) 読者さまが楽しんでいただけたら幸いです! 今後ともよろしくお願いします!! (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
青鷺(プロフ) - 千年彗星さん» 小説もだけど、受験頑張ってください!!!勉強?なにそれおいしいの? (2016年6月28日 6時) (レス) id: cb35208076 (このIDを非表示/違反報告)
マリーネ(プロフ) - むっか〜。シンドバッドむっか〜。 (2016年6月28日 4時) (レス) id: 252b10e98a (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - きゅーちゃんさん» 好きと言っていただきありがとうございます!! 今後ともこの小説をよろしくお願いします(*^^*) (2016年5月2日 17時) (レス) id: 113143dc1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千年彗星 | 作成日時:2015年8月1日 13時