第104夜 全力で償え!! ページ6
誰かを苦しめ、泣かせ、絶望に叩き落とした。
それに気づいた時、苦しみから逃げようとするなんて自分勝手すぎる。
死んで逃れようとするな。
そんなこと、僕が許さない!!
「友達できた!!モモっていうの!」
目を輝かせながら自慢気に言うのは、この前入って来たばかりのシバ。
つい最近まで異種族を毛嫌いしていたとは思えない変わりようですな、うん。
「そうかそうか。仲睦まじいこって」
「よかったね、シバ!!」
僕がそう言うと、さっきとは打って変わってギロリと僕を睨みつける彼女。
え?なになに!!ソロモンのときは何ともなかったのに僕の時だけ態度違くない?
そう、マンティコアの村に居候して気づいたこと。それは、シバが僕をやけに邪険にしてることで…。
知らないうちに彼女に嫌な思いなどをさせてしまったのかもしれないと思い、謝ろうと手を伸ばすと…、
「触らないで!!」
全力で拒否られました…。
「あぁ、汚らわしい!!貴女、忌み子でしょ。神父様から聞いたことあるわ。何処のグヌードか忘れたけど金色の髪に金色の目、左目に八芒星のある神から捨てられた哀れな者がいると…」
次から次へと飛んでくる罵声の言葉に、僕自身の存在を踏みにじるような発言。
はっきり言って忌み子とか気にしてないからね、僕。どうでもいいリスト上位に入ってるよ。
そんなこと気にしてない僕の横で、その言葉に腹も立てる者が1人…、
「おい…」
そしてシバの目の前まで行き鼻と鼻がつきそうな近さで彼は言うのだ。
「次、Aを侮辱してみろ。俺が許さねーぞ…!!」
「…あ」
あまりの予測不可能な行動に加え、慣れ初めの人にあんな事を言われたシバの意識は何処かへ吹っ飛んだ。
「あはは。Aはソロモンの初めての友達で親友だからね」
ウーゴの放った言葉に振り向くと、苦笑する皆がいた。
…。
てか、いつの間に親友にランクアップしたんだろ、僕。
辺りにゴォオオオという耳障りな音。
黒い戦艦の中でニヤリと笑う者達。
「やめてよ!!!!大体極悪人はあんたらの方じゃない!!!死ぬべき大罪人の私を助け出したんだから!!!」
目を覚ましたシバが目にした光景。
白目を剥き、涎を垂れ流し、牙を剥くマンティコアの群れ。
そんな中、バシッと頬を引っ叩く音が響く。
「しっかりしろ!!苦しめるだけ苦しめ、自分が苦しくなったら逃げるなんて僕が許さない!!」
「…え」
「自分が犯 した罪は全力で償え!!」
その言葉は開戦の合図。
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千年彗星(プロフ) - 青鷺さん» コメントありがとうございます!! 小説共々、頑張っていくので今後ともよろしくお願いします(*^^*) (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マリーネさん» コメント感謝です(*^^*) 読者さまが楽しんでいただけたら幸いです! 今後ともよろしくお願いします!! (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
青鷺(プロフ) - 千年彗星さん» 小説もだけど、受験頑張ってください!!!勉強?なにそれおいしいの? (2016年6月28日 6時) (レス) id: cb35208076 (このIDを非表示/違反報告)
マリーネ(プロフ) - むっか〜。シンドバッドむっか〜。 (2016年6月28日 4時) (レス) id: 252b10e98a (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - きゅーちゃんさん» 好きと言っていただきありがとうございます!! 今後ともこの小説をよろしくお願いします(*^^*) (2016年5月2日 17時) (レス) id: 113143dc1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千年彗星 | 作成日時:2015年8月1日 13時