第138夜 踏み出す勇気 ページ40
動いてるところを見られると叱られるため、皆が寝静まった夜中に部屋を出る。
「ソロモン、プチ冒険しに行くけど一緒に行く?」
「あぁ!!」
2人で本拠地をこっそり抜け出して、星空の下を歩く。しばらく歩いて辿り着いたのはキラキラ光る海。
「プチ冒険、わくわくするね!」
「今日のところはお前の身体のこともあるからな。ここらで休むか」
砂浜に腰を下ろそうとしたらソロモンに後ろから抱きつかれた体制のまま座る羽目になった。
ちょ…、体重を僕にかけるな。確かに寒いからこうした方が暖かいけどさ!!
ザザァア…と押しては引き返す波を眺め。
あ、今日は三日月だと海に映ったそれを見て思う。
「なぁ、A。もし、この世界を何度もやり直せる力を持ってたなら。お前はそれを使うか?」
「へ?」
何度もやり直せるって事は、思い通りになるまで作り変えたりできるってことだよね。
「そんなの使わないよ」
「何でだ?使えば争いの無い、お前の望んだ世界が訪れるんだぞ?」
争い事ばかりで、喧嘩ばかりなこの世界。使えば裏切りも何もかも無くなるかもしれないね。
けどね、ソロモン…。
「好きなように作り変えても、それは何の解決にもならないんだよ?作り変えた世界じゃなくて、この世界の皆で作った方がいいじゃん」
例え作り変えてもそれは本当の解決ではなく。
世界が抱えた問題を放棄するような気がして。
「皆で力を合わせればいいよ。悩んで、助け合って、支え合って。そうしてできる世界の方が僕は好きだよ!!」
ぐで〜ん、とソロモンにもたれかかる。
君は悩み事が多いからね。しかも人に話さず溜め込む人だから。
「やっぱりお前もそう思うよな!!一緒で安心した!!」
「あはは!!同じ価値観ってやつですな!!」
でももし、君がそんな力を手にして。
この世界に屈する時がきてしまって。
それを使おうとしたならば。
僕は君を全力で止めるよ。
人間として最低な行為をしてまでも…。
「あー、そろそろ帰るか!!」
「え〜、あと少しだけ!!たまには2人でこうするのもいいでしょ?」
見上げれば頬が少し赤いソロモンが。
「…っ!!またプチ冒険する時は誘えよ!!絶対だからな!!」
「はいはい、了解しました〜」
世界を変えるのは大変だね、ソロモン。
でも、大切なのは踏み出す勇気なんじゃないかな?
1人で踏み出すのが怖かったら、僕が隣で一緒に踏み出すよ。
だって。
2人で踏み出せば、怖くないでしょ?
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千年彗星(プロフ) - 青鷺さん» コメントありがとうございます!! 小説共々、頑張っていくので今後ともよろしくお願いします(*^^*) (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マリーネさん» コメント感謝です(*^^*) 読者さまが楽しんでいただけたら幸いです! 今後ともよろしくお願いします!! (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
青鷺(プロフ) - 千年彗星さん» 小説もだけど、受験頑張ってください!!!勉強?なにそれおいしいの? (2016年6月28日 6時) (レス) id: cb35208076 (このIDを非表示/違反報告)
マリーネ(プロフ) - むっか〜。シンドバッドむっか〜。 (2016年6月28日 4時) (レス) id: 252b10e98a (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - きゅーちゃんさん» 好きと言っていただきありがとうございます!! 今後ともこの小説をよろしくお願いします(*^^*) (2016年5月2日 17時) (レス) id: 113143dc1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千年彗星 | 作成日時:2015年8月1日 13時