第130夜 責任と幻滅 ページ32
魔道士狩りを知らないという皆に説明しながら走る先は医務室と現場。
「ライはその物語、知ってた?」
その言葉に首を横に振り否定する。
「現場で男の人が魔導士狩りだって叫んでて」
現場を見て魔導士狩りと繋げ合わせた?珍品のあの本を見つけ読んだのか、話を誰かに聞いたのか。どちらにせよその男、余程の知識人。
「ここからは二手に別かれよう。Aとソロモン、ライは現場に向かうといいさ!!」
アルバの案に二手に別れる。どんな襲われ方をしたのか分からない。無差別にやったのか、それとも狙ってやったのか。
走るにつれザワザワと戸惑いの声が大きくなる。
「その、言いにくいんだけどA姉。その男の人っていうのが…」
道を開けてもらい出た場所に。
「おやおや、やっと最高守護神様のご到着ですか」
「また君か…」
例のあの男が腕を組んで立っていた。
地面には血溜まりの後。時間がたって地面に染み込んでしまったのか、どす黒くなっている。
「良いご身分ですな〜。団員が襲われたというのに、貴女様は呑気に昼食ですか」
「A様…」
後ろにはシトラーやアモンにザガン。他の七魔導士団は医務室へ行ったらしい。
「襲われたのは女でしたよ守護神様。しかも貴女様の基地。そう、ここ第7基地で起きたのです!!」
そう、狩りの舞台は第7基地。強いと有名な者が集う中で起こった今回の事件。
強い者がやられた。次は誰?もしかしたら自分かも。恐い。これを狙ってやったのだとしたら。
「貴女様が異変に気づけていたのなら、今回の事は起こらなかった!!皆を守らなければならないという自覚、責任感が貴女様には無いのです!!」
「…っ!!悪かったよ…」
確かに、前触れなど気づく点はあったかもしれない。
「でも僕達に情報が回ってくるのは遅かったんだ。知ってたらいち早く…」
「今度は言い訳ですか!?はぁ…、非常に残念です。幻滅しました!!ここにいる皆さんも同じでしょう!!」
ギリギリと手に持つ神杖が悲鳴をあげる。
悔しい!!何だよ幻滅って!!
「そんなことないぞA!!」
力む手をとり、強く握りながら言うのはソロモンで。
「俺はお前に幻滅なんて死んでもしないぞ!!」
痛いくらいに握られた手。そして後ろから抱きついてくるシトラーや、うなづくアモンにザガン。
「馬鹿馬鹿しい。では私はこれで」
「あ、ねぇ…!君は本をよく読むの?」
立ち去る彼に一つ問う。
「はい?私は貴女様みたいに暇人でない。そんなもの読みません」
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千年彗星(プロフ) - 青鷺さん» コメントありがとうございます!! 小説共々、頑張っていくので今後ともよろしくお願いします(*^^*) (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マリーネさん» コメント感謝です(*^^*) 読者さまが楽しんでいただけたら幸いです! 今後ともよろしくお願いします!! (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
青鷺(プロフ) - 千年彗星さん» 小説もだけど、受験頑張ってください!!!勉強?なにそれおいしいの? (2016年6月28日 6時) (レス) id: cb35208076 (このIDを非表示/違反報告)
マリーネ(プロフ) - むっか〜。シンドバッドむっか〜。 (2016年6月28日 4時) (レス) id: 252b10e98a (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - きゅーちゃんさん» 好きと言っていただきありがとうございます!! 今後ともこの小説をよろしくお願いします(*^^*) (2016年5月2日 17時) (レス) id: 113143dc1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千年彗星 | 作成日時:2015年8月1日 13時