第117夜 信頼と決別の物語 ページ19
それはまだ、この世界にグヌードと呼ばれる建造物が無かった時…。
神は人間に魔法を与え救った救世主であった。
それと同時に世界が上手く廻るよう2人の王候補を授けたのだ。
1人は権力・人力・人望厚き王候補。
この者、後にダビデ老の呼ばれる青年である。
1人は親から捨てられ人に愛されず1人で生きる王候補。後にレイメスと呼ばれ、金髪で左目に八芒星を持つ賢く優しい好青年である。
産まれ方も生き方も正反対だった2人だが、ある星降る夜に転機が訪れた。
ダビデは異種族を統制するための下見、レイメスは喉を潤すために寄った湖。
出会いはそれだけ。
時を共有するうちに親友とも呼ベる仲になり、周りから見ても仲睦まじかった。
しかし何十年、何百年の時を経る中でダビデは道を踏み外す寸前を生きていた。
彼はグヌードという建造物を造り、異種族を統制することを再考しはじめたのだ。
親友として、それを止めるべくレイメスは言った。
『いい加減にしろ!!こんな事間違っている!!』
しかし、ダビデは言う。
『いや。これこそが世界のあるべき姿だ。異種族を統制すれば俺たちは平和に暮らせる。そしたら俺たちは他の奴等よりも上の存在になれる!!』
『頭を冷やせダビデ!!』
『冷やすのはお前のほうだろレイメス!!』
その頃からダビデはレイメスの存在がだんだん目障りになった。
レイメスは外見もそこらの青年と比べると飛び抜けてよかった。それに付け加え仲間思い。
仲間からの支持も凄かった。
それがさらにダビデの癪に触ることとなったのだ。
そしてそんな事があった数ヶ月後、事件は起こったのだ。
それは出会った日と同じ星降る夜の世界。
ダビデはレイメスを呼び出した。
話があるからと、誰にも聞かれたくない、2人で話したいからと大陸の裂け目へと呼び出したのだ。
あの日からレイメスの事が目障りなダビデ。
どんな事があってもダビデを親友と呼び、ずっと手を取り合って共に生きていきたいと思うレイメス。
そんな仲をダビデは自ら裂くように彼が後ろを向いた隙に剣で刺した。
急所を刺されたレイメスは血反吐を吐き、地面に倒れ込む始末。
そして、念には念をと彼は虫の息のレイメスを大陸の裂け目へと投げ捨てたのだ。
そして落ちる寸前、彼に言った。
『星降る夜の太陽は、太陽でしかない』
…と。
そんな出来事に神はこの世界に心底失望し呆れた。
だが、それから数百年後。
今一度この世界に機会をあげようと2人の王候補を授けたのであった。
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千年彗星(プロフ) - 青鷺さん» コメントありがとうございます!! 小説共々、頑張っていくので今後ともよろしくお願いします(*^^*) (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マリーネさん» コメント感謝です(*^^*) 読者さまが楽しんでいただけたら幸いです! 今後ともよろしくお願いします!! (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
青鷺(プロフ) - 千年彗星さん» 小説もだけど、受験頑張ってください!!!勉強?なにそれおいしいの? (2016年6月28日 6時) (レス) id: cb35208076 (このIDを非表示/違反報告)
マリーネ(プロフ) - むっか〜。シンドバッドむっか〜。 (2016年6月28日 4時) (レス) id: 252b10e98a (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - きゅーちゃんさん» 好きと言っていただきありがとうございます!! 今後ともこの小説をよろしくお願いします(*^^*) (2016年5月2日 17時) (レス) id: 113143dc1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千年彗星 | 作成日時:2015年8月1日 13時