第78夜 必殺、男装 ページ29
旅は好きだ。夜も好きだ。
だから夜の旅も好きだ。
「星が綺麗ですね…。主」
星が瞬くそんな中、僕はシンドリアを発つ準備を黙々としていた。
実体化したシトラーが窓から星を眺め、クロは僕の手伝い。
「もう少し留まってもいいのでは?」
「駄目だよ。僕は運命の逆流を正す者として
アル・サーメンが生み出す逆流を正さないといけないから…」
荷造りが終わり、ホテル代として金貨を机の上に数枚置いておく。まぁ、これだけ置いておけばユナンも困らないだろ。
「クロも包帯着ける程の怪我じゃなくて良かったね〜」
そう言い頭を撫でると気持ち良さそうに目を細める。
「怪我…」
「ん?」
「私も怪我したいです!!」
…。
は?いやいや。え?怪我したいだって!?
とんでもない事ぶちまけて来たぞこのジン!!
「此処から飛び降りたら怪我できますかね?」
「ここ4階!!怪我どころか死ぬよ!!」
窓に足をかけるシトラーを必死で押さえる。
なんだこの絵図ら。
機から見たら凄い事になってるぞ。
「私もクロみたいに頭撫でて欲しいです!!」
「はぁ!?」
えぇ!?クロみたく怪我すれば撫でて貰えるとでも思ってるのか?
「だってだって!!私は何時も金属器の中で主に頭も撫でて貰えないのに、クロは何時も主に撫でて貰って!!寝る時も一緒じゃないですか!!」
「いや。確かにそうだけどさ…」
だってねぇ。朝起きてこんな血色の悪そうな色をした奴が眼中にあったたらビビるだろ。心臓に悪いわ。
「そんな事言われてもね〜、クロ?」
「ケッ…」
おい何だその勝ち誇ったような顔は!!
そんな事したら余計に…。
「もう決めました!飛び降ります!そして全身骨折でも何でもしてやります!!!」
クロによって更にヒートアップするこの状況。
よし、もうこうなったらあれだあれ!!
「シトラー」
「あっ主…!!」
必殺、男装。
「そんな事気にするな」
少し声を低くして囁きかける。
そして、シトラーの顎を掴み目線を合わせ…、
「僕は君の事が大切だよ?だから…ね?
そんな事思わないで…」
鼻と鼻がくっつく距離で微笑む。
「主…!!」
「クロも馬鹿にするような事言ったら駄目だからな」
「ンニャ…!!」
顔を真っ赤に染め金属器に戻るシトラーに、尻尾をめちゃくちゃ振るクロ。
いや〜、僕の男装女の子受けが良いんだよね。
アルマトランで男装して歩いてたら告白された事あるし…。
…。
いっそのこと男として産まれたかった。
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千年彗星 - 花臨さん» コメントありがとうございます(*^^*)進○の巨人にもそんなシーンがあるんでしょうか?よく知らないので時間の合間に読んでみようかと思います(*^^*) (2015年10月5日 0時) (レス) id: c561c3ef2a (このIDを非表示/違反報告)
花臨 - 凄く面白いです!更新を毎日楽しみにしてます! 89話「人間です」……進●の巨人ですかね(笑) (2015年10月4日 13時) (レス) id: 932ef91d5e (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星 - 紅鈴さん» コメントありがとうございます!更新率遅くてごめんなさい!!そう言ってもらえるととても嬉しいです(*^^*)頑張ります!! (2015年7月24日 21時) (レス) id: 81bd355fba (このIDを非表示/違反報告)
紅鈴(プロフ) - 千年彗星さん» いつも更新するのを待ってます!頑張って下さい!!v(*⌒0⌒)v頑張って♪ (2015年7月23日 21時) (レス) id: da4cbf1016 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星 - まめもちさん» コメントありがとうございます!なかなか更新できませんが精一杯尽くします! (2015年7月19日 17時) (レス) id: 3062e15b98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千年彗星 | 作成日時:2015年2月3日 23時