第76夜 心優しい彼等を ページ27
僕だって人間だ。
他の人達のように怒りの感情が芽生える時だってある。
「…。今、何て?」
今がその良い例だ。
「弱き王の側に居るマギの気持ち…。
お嬢さんは考えたことがあるかい?」
「無いよ」
僕だってマギだ。
たとえ異端でもどれだけ弱くても、
それは変わらない事実。
なのになんで此奴がマギの全てを知ったような口振りで語ってるの?
「だろうな…」
「だってマギじゃないし。それに本来3人のはずが今は4人居るんだよ?思う事は人それぞれ。分かるはずない」
正式には5人だけれど…。
僕はマギと言うことを隠しているから。
この世界で僕がマギって事を知っているのは、
ユナンとシェヘラちゃん。
「もしユナンが強さを重視するマギなら…。
俺との戦いに負けたお嬢さんの側に居るのは窮屈だと思わないかい?」
「そうだね」
戦いに負けたのは風邪の所為でもある。
だが、それでも勝てる者は勝てる。
「そこでだお嬢さん…。
譲ってはくれないだろうか…」
は?譲る?
「ユナンを譲ってほしい」
何それ…。
マギはモノじゃないんだよ?僕はどんな扱い方をされても構わない。だけど他のマギにその態度は辞めてよ。
「嫌だ。譲るも何もマギをモノみたいに扱う君みたいな奴の側に居て悲しむのはユナンだ」
「…」
ユナンやシェヘラちゃん。
アラジンにジュダル。
皆一生懸命に生きてるんだ。
だから、そんな心無い一言で彼等を傷つけるのはやめてくれ…!!
君からの喧嘩も全部買おう。
気に食わなければ殺してくれて構わない。
その代わりにお願いだ…。
不器用で…、
けれど心優しい彼等をそんな風に扱わないでくれ…!!
「そうか…。金属器と交換でも?」
「ふざけるな」
謝肉宴も終わりを迎える中。
涼しい風が僕達の間を駆け抜ける。
「お嬢さん…否、A」
「…」
「これでもかい?」
シンドバッドさんが腕に抱えて見せてきたもの…。
見慣れた黒色の毛並みに死んだように閉じられた目。
「クロ!!」
間違いなくそれはクロで…。
探しても探しても見つからなかったクロが目の前にいる。
「大丈夫、眠っているだけだ」
大丈夫?耳に包帯巻いてるのに?
「金属器とこの猫で譲ってくれるね?」
「嫌だね。金属器もクロも返してもらう。
それに偽善者と罵った君にユナンの心情を語る資格はない!!」
思わず立ち上がり叫ぶ中、ルフが酷く共鳴した。
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千年彗星 - 花臨さん» コメントありがとうございます(*^^*)進○の巨人にもそんなシーンがあるんでしょうか?よく知らないので時間の合間に読んでみようかと思います(*^^*) (2015年10月5日 0時) (レス) id: c561c3ef2a (このIDを非表示/違反報告)
花臨 - 凄く面白いです!更新を毎日楽しみにしてます! 89話「人間です」……進●の巨人ですかね(笑) (2015年10月4日 13時) (レス) id: 932ef91d5e (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星 - 紅鈴さん» コメントありがとうございます!更新率遅くてごめんなさい!!そう言ってもらえるととても嬉しいです(*^^*)頑張ります!! (2015年7月24日 21時) (レス) id: 81bd355fba (このIDを非表示/違反報告)
紅鈴(プロフ) - 千年彗星さん» いつも更新するのを待ってます!頑張って下さい!!v(*⌒0⌒)v頑張って♪ (2015年7月23日 21時) (レス) id: da4cbf1016 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星 - まめもちさん» コメントありがとうございます!なかなか更新できませんが精一杯尽くします! (2015年7月19日 17時) (レス) id: 3062e15b98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千年彗星 | 作成日時:2015年2月3日 23時