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第25夜 そんな君だからこそ ページ25

ユラユラと波打つ海がまるで記憶を呼び戻すように…。

ふと昔の事を思い出す…。









『…久し振りね。ユナン…』

『やぁ…。元気かい?シェヘラザード』









僕がここ、
レーム帝国に来て一番最初に挨拶をと尋ねた
人物はシェヘラザード。



ここの最高司祭であり、同じマギだ。








『珍しいわね…。何か用かしら…?』

『用事って言うほどの事でもないんだけど…。一つ…。君に忠告をと思ってね…』



その言葉と共にシェヘラザードが瞳を開け、
僕を見つめる。



『Aって言う名のマギは知ってるよね?』

『えぇ…。あの子がどうかしたの?』

『君には悪いけど…。
あの子僕が貰ったから…』

『えっ…』






僅かにシェヘラザードの瞳が見開いたのを僕は見逃さなかった…。







『そう…。残念だわ。私もあの子狙っていたのよ?』

『本当残念だね…。
でも、Aはもう僕の王候補だから諦めなよ…』









Aを迷宮へ導く前夜、
シェヘラザードにも誘われた事を聞いた僕…。



正直焦った。



こんなにも優しい王の器の持ち主だ。
いずれかは目をつけららるとは思っていたけれど、まさかもう目をつけられているとは…。


しかも、相手がシェヘラザードときてる。



だから、
迷宮攻略した後、
直ぐに報告を含め忠告をしに来たわけさ。





『それだけかしら…?』

『うん。じゃあ、僕は行くよ…』









そう言い残して去ろうとしたとき…









『でも…。諦めるなんて私、
一言も言ってないわよ?ユナン…』







そう呟いたのが聞こえたが、
聞こえない振りをしそのまま帰路についた。









今、僕の背中で眠っているA。

ずっと思っていたんだけどね…。

君は自分のことを見下しすぎているよ…。









『どうして僕みたいな奴を王候補としてくれたの?』

『どうして僕みたいな奴の側にいてくれるの?』









そんなの簡単じゃないか。









そんな君だからこそ王候補にして、
そんな君だからこそ側にいるんだよ…。









君の良さに君自身が早く気づける日が来るといいな…。

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千年彗星(プロフ) - 明日香の部屋さん» コメントの方ありがとうございます。私のなかで誰落ちかは決まっていますが、それは作中にて明らかにしていきたいと思っています。ので、今のところは秘密ということにしております! それも含めて楽しんでいただけると幸いです! (2018年6月24日 15時) (レス) id: ca20c9b892 (このIDを非表示/違反報告)
明日香の部屋 - 質問です!これってユナン落ちですか? (2018年6月23日 22時) (レス) id: 2712192e09 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみみ - 練紅夜さん» コメントありがとうございます!!これからも頑張ります!!! (2015年3月28日 7時) (レス) id: 009baac5cd (このIDを非表示/違反報告)
練紅夜 - スッゲーーーおもしろいです!!これからも頑張って下さい!応援しています。 (2015年3月28日 0時) (レス) id: ae8005f413 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみみ - メイアさん» ありがとうございます!! (2015年1月22日 0時) (レス) id: cae631ef11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千年彗星 | 作成日時:2014年11月18日 23時

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