ドレスアップ ページ31
中也の車の助手席に座って、午前のヨコハマの風を感じる。
「窓閉めるぞ」
「待って、あと少し」
「ちっ、なんだってんだ」
「まあまあ」
二人並んで出社すればかなりの注目の的で、ジロジロとまではいかなくても好奇の目に晒される。
「じゃあ私ここで」
首領の執務室へと続く昇降機の前で立ち止まる。そのままボタンを押そうとした。
「A」
振り帰った。中也がにやっと笑ってる。
「行ってきますは?」
「っ…行ってきます」
「ああ、行ってらっしゃい」
やられてやり返して。
少し胸が弾んでしまって中也の顔がまともに見れないまま、丁度開いた昇降機に飛び込んだ。
閉じていく扉の隙間から、中也の笑う顔が見える。
「やあ悪いね、A君」
「いえ」
私は今本部ビルの前にいる。昇降機の中で急に首領から電話がかかってきて、外に来て欲しいと。
「ということで、早速行こうか」
「え?」
ほらほらと黒塗りのベンツに押し込まれる。
「A!久し振りね!」
既に乗り込んでいたエリス嬢が迎えてくれ、更に後から首領も乗り込んできて、私は二人に挟まれることになる。
「あの、首領これは?」
「Aのドレスを見に行くのよ!」
それからはもう怒濤の流れで、まずエステ、ネイルと店に連れ込まれ、いつもよりお肌はすべすべ、爪も綺麗に整えられた。
そして今は高級感溢れるブティックに居る。
「Aにはこれがいいわ!」
「流石エリスちゃん!」
といって差し出されたのはロイヤルパープルのロングドレス。肩を出すデザインで、胸元には繊細な銀の刺繍が施してあり、動けばさらりと翻るドレープはすっきりしたAラインだ。
「着て御覧。君にピッタリな筈だ」
そう首領に微笑まれ、更衣室へ。
店員さんにお手伝いされてドレスに着替える。
「まあお客様、凄くお綺麗ですよ」
「A素敵だわ!」
思わず素直に頬を緩む。
ラグジュアリーは同じデザインになっているダイヤモンドのネックレスとピアスを。
続いて向かった美容院で、髪も綺麗にアップに纏められ、メイクも普段よりしっかりと完璧に施してもらう。
ドレスアップが終わって一息つく。
全ての費用は必要経費で落ちるらしい。
ということはつまり完全な潜入任務な訳で、あまり浮かれてもいられないということだ。
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ねこつりー(プロフ) - かれんさん» ふふふ中也は何させても様になりますからね( 〃▽〃) (2018年4月30日 12時) (レス) id: b59e44559a (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 中也かっこよすぎです。 (2018年4月30日 11時) (レス) id: 529a00cb8e (このIDを非表示/違反報告)
ねこつりー(プロフ) - rikoriko51さん» 丁度彼の誕生日だったのでギザな台詞を言って貰いました笑 コメントありがとうございます!凄く嬉しかったです(T^T) (2018年4月30日 7時) (レス) id: b59e44559a (このIDを非表示/違反報告)
rikoriko51(プロフ) - HappyBirthday中也! 更新頑張ってください!楽しみにしています。 (2018年4月29日 23時) (レス) id: a789258bf1 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 楽しみにしてます! (2018年4月28日 18時) (レス) id: 2c537c1151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねこつりー | 作成日時:2018年4月20日 22時