マフィアな私達の同居生活【中原中也】

ヨコハマギャング 1 ページ2

皺一つない白のブラウスにロングスカートを靡かせ、かつ、かつとヒールを鳴らしながら空港内を進む。

外に出れば青い快晴。
気持ちは良いが私には少し眩しい。

空港の前のタクシー乗り場が目に入り、迎えを呼ぶより自分で赴いた方が早いとそちらへ。



運転手の壮年の男性に行き先を告げ、シートに体を沈める。リラックスしているように見えて、まるでそんなことはない。サングラスを外さないのがその証拠。

迎えは不要との遅い連絡を端末で入れた後、サングラスを少し外してバックミラー越しに運転手さんと目を合わせる。

「…お客さん、本当に○○ビルでいいのかい」

「ええ。正面にお願いします」

バックミラー越しに苦笑された。この運転手さん、中々肝が据わっている。



タクシーは黒く高いビルディングの前に止まった。びっしゃり冷や汗をかいている運転手さんにお札を押し付け、タクシーを降りる。

ダッダッダッ＿＿＿＿

降りた途端、ビルから黒服が飛び出してきた。
おお、中々の迫力。総勢十数名、大袈裟なお出迎えだ。

後ろでタクシーが急発進して逃げ出したのを確認して、一歩前に踏み出す。

黒服達が一斉に整列した。
うん、やっぱり迫力が凄い。



一人の黒服が私の前に立ち、そのまま私に頭を下げる。

「＿＿＿A様、首領がお待ちです」

「ええ、すぐに向かうわ」

サングラスを外し、膝を付いて頭を下げる黒服達を一瞥。そしてまたヒールを鳴らして建物内に入った。


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中也を早く出したいです

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