8．猫と嫉妬 真人side ページ8
Aが帰った後＿＿＿＿
真人「花御と漏瑚はさ、叢雲が人になっちゃって気にならないわけ？」
花御「気になるも何も……成長は歓迎するべきでは？」
漏瑚「確かに、人間は嫌いだが。呪いであることは変わらんから別に気にならん」
花御も漏瑚も分かってないな。
呪霊が人間に親しみを持って己の姿をより人に近づけたことが問題なんであって。
まぁ、俺もほぼ人の姿だから人のこと言えないけど。
真人「陀艮は？」
陀艮「ぶぅ〜？」
陀艮からはよく分からない返事が返ってきた。
花御「＿＿真人は叢雲が嫌いなのですか？」
真人「うん？」
花御「もしそうなら……嫌いというより、Aといつも一緒にいられることへの嫉妬ではないでしょうか」
花御に痛いとこを突かれ思わず目を丸くした。
前までは自分の気持ちにさえ鈍感だった花御が、俺の触れてほしくない部分を見透かす。
花御も交流会を経て成長したんだろうか。
真人「そうなのかも……」
花御「私が思うに、叢雲は真人の恋人を奪ったりしませんよ。いつも陀艮の面倒も見てくれていましたし」
陀艮「ぶっ！」
叢雲から敵意は感じなかったし、俺のこともAの仲間として見ている。
嫌っているのは俺だけだったみたい。
真人「そっか。ははっ、花御も人の考えが分かるようになってきたね」
花御「当然です。
＿＿＿＿私たちこそ、��真の人間��ですから」
そう誇らしげに話す花御。
もちろんそれに俺も同意して、にやりと口角を上げる。
真人「そうだね。
新入りも増えたし……ここは人間らしく、俺たちも��交流会��を開こうか」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
夏油「真人。その交流会とやらは私も参加できるのかい？」
真人「夏油はダメー！」
夏油「もしかして、この体の持ち主がAを襲ったことを根に持ってるのかな？」
何故か夏油も参加したそうだけど、利害の一致で組んでるだけの夏油は呼ばない。
そう断れば、夏油は『残念』と呟く。
漏瑚「……おい、貴様の��中身��が違うことはAには話すなよ」
と、漏瑚が釘を刺す。
実は夏油の中身が違うことは前から知っていた。
皆んなで話し合ってAには黙っておこうってなったけど。
夏油「分かっているよ。全く呪霊の癖に心配症なんだから」
漏瑚「何か言ったか？」ｷﾞﾛﾘ
夏油「いや、別に？」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 141人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シュリィ | 作成日時：2023年5月7日 20時
