43.確信犯と猫 ページ43
真人「ねぇ、Aってば本当に夏油とデートしに行くの?」
A『仕方ないでしょ。夏油が勝っちゃったんだから』
あの後、夏油は用事があるからと先に出ていってしまった。
デートのお誘いを断る隙もなかったから確信犯かもしれない。
と、僕の飼い猫は猫耳を出したまま不機嫌な表情で僕をソファに押し倒す。
真人「……君の恋人が誰なのか、思い出させてあげないといけないね?」カプ
A『あっ……//いたっ……』
真人はいきなり僕の首元に噛み付いてきた。
抗える訳もなく、簡単に腕を頭の上で拘束されてしまい涙目で悶える。
真人はそのまま焦らすように服の中にまでツギハギの手を入れてきた。
A『んっ……触っちゃ、やだ……っ//』
真人「ほら、俺の手にすぐ反応しちゃってる。Aの体はもう俺の物なんだよ……?」
脹相「俺たちもいるんだが……」
壊相「なかなかに扇情的な光景ですね?」
真人「む、脹相たちはあっち行っててよ」
まだ部屋には脹相たちもいるから僕は必死に声を押えていた。
血塗は人生ゲームのルーレットを回すのに夢中だからこっちを見てないけど。
3人の前でこんなことされるのは恥ずかしすぎるよ……。すると、いきなり脹相が席を立って真人の腕を掴む。
脹相「恩人を見捨てるわけないだろ、早く離せ」
真人「は?見てわかんない?Aは俺にこうされて喜んでるんだよ」
脹相「でも嫌がってるじゃないか」
なかなか退かない脹相に真人がイラつく。
だけど、そのおかげで真人の拘束が緩み僕は抜け出せた。乱れた服を整えながら僕は__
A『その、人前でこういうのはやめて欲しいかな……』
脹相「Aはこう言ってるが」
真人「……へぇ、Aはそいつの肩を持つんだ?」
やめてくれるよう言えば、真人の冷えきった声が聞こえた。
すっと目を細めると立ち上がってドアの方に向かい__
真人「じゃあもういいよ、夏油と脹相とでも好きにしたら?俺は何も言わないからさ」
A『あっ……待って、真人っ!』
掴もうと手を伸ばしたけどするりと避けられ、部屋から出ていってしまった。
脹相「その……悪い」
A『……ううん、脹相のせいじゃないよ。僕も追いかけてくる』
歯切れ悪そうに呟く脹相の横を通り抜け、僕もアジトを出た。
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作者名:シュリィ | 作成日時:2023年5月7日 20時