24．猫と受肉 真人side ページ24
夕日が窓から射し込む簡素な室内＿＿＿＿
真人「＿＿ねぇ、こういうのってさ……なんで壊さないの？」
目の前に並ぶ3つの容器。
それぞれの中には��呪胎九相図��と呼ばれる呪物が浮かんでいる。
俺の問いに夏油は腕を組みながら答えた。
夏油「壊せないんだよ、特級ともなるとね。
生命を止め害をなさないという��縛り��で存在してるんだ」
真人「ふぅーん？じゃあ宿儺の指は？」
夏油「アレは特別。20に分割しても尚、時を経て呪いを呼び寄せる化け物だよ。
＿＿＿＿それ故に器を選ぶ」
そう夏油は説明してくれる。
宿儺の器は��虎杖 悠仁��、Aのクラスメイトであり俺の天敵でもある。
己の飼い主と天敵を思い出せば魂が少し疼いた。
真人「それなら、
目の前に視線を移せば、壁に磔にされた男が吼え＿＿
男「おいっ！アンタ！！金か！？
オレそんな持ってないけどさっ！！サラ金とかなんとかあんだろ！？」
こんな状態になっても呪霊である俺のことが見えてないらしい。
男は必死に夏油に向かって訴えかける。
真人「大丈夫かなぁ。この状況で俺が見えないとかマジで才能ないよ？
＿＿はい、あーん」
暴れる男の顎を掴み、無理やり九相図の3番を呑ませてやれば。
男はみるみるうちに異形の化け物へと姿を変えていった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
真人「やぁ、起き抜けに申し訳ないんだけどさ。
ちょっとお遣いに行ってきてくんない？」
その後も同じ調子で攫ってきた人間に九相図を呑ませれば、ちゃんと3人とも受肉を果たした。
俺がお遣いを頼めば、1番上の兄に『少し兄弟と話させてくれ』と言われる。
……せっかく子分が出来たと思ったのに生意気じゃない？
真人「アイツら、ちゃんと
夏油「九相図にとってはコチラ側につくしかないだろう。高専に行っても呪術師に祓われるだけだからね」
九相図を受肉させた後、俺たちは新しいアジトに来ていた。
ここは最近廃業したバーを夏油が買い取ったものらしい。
色々なお酒が並ぶ棚を横目に俺はソファに寝そべる。寝心地の良いソファは俺に眠気を与えてくるけど＿＿
真人「あっ、そうだ！
新しいアジトをAにも見せたいし連絡しておこうっと♪」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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作者名：シュリィ | 作成日時：2023年5月7日 20時
