16．見回りと猫 ページ16
宿儺「全く……お前との逢瀬にこうも邪魔が入るとはな」
宿儺は忌々しげに五条先生を睨むけど。
当の先生はにこやかな笑みで僕の隣に寝転がっていた。
五条「今日は諦めて帰りなよ。まぁ、これからは毎晩僕が見回りしに来るけどねっ！」
宿儺「ふん、若造が……」
A『……先生も宿儺も暴れないでね……？』
念の為注意すれば、宿儺は舌打ちして僕の隣に寝転がった。
やっぱり宿儺も僕の部屋に泊まるつもりらしい。
ただでさえ寮のベッドは狭いのに、身長デカめの五条先生と宿儺に挟まれるのはかなりキツい。
出来たらどちらかには帰って欲しいんだけど。
A『ベッド狭いな……』
宿儺「だ、そうだ。ここは1番図体がデカい奴が帰るべきだろう」
五条「いや、お前が帰るべきだろ？だいたい、宿儺はこれまでも勝手にAの部屋に上がり込んでたんだから」ｷﾞｭｰ
五条先生は僕の腰に腕を回してくると、離さないとでもいうように抱きしめてきた。
それを見た宿儺の額に青筋が浮かび上がる。
悠仁との��縛り��があるから、誰かを傷つけるようなことはないと思うけど……。
五条「どうせ、悠仁と何らかの縛りを結んで自由に動いてるんだろ。キレやすいお前が手を出してこないのがいい証拠だ」
宿儺「ケヒッ。さぁどうだかな……小僧に聞いてみるか？」
そう言うと宿儺は目を閉じた。
だんだんと顔の模様も消えていき、いつもの悠仁に戻る。
再度、悠仁がその目を開けば＿＿
悠仁「……あれ、？Aに五条先生……？こんな夜に何して……ってぇ、俺またAの部屋に来てんじゃん！」
A『さっきまで宿儺と話してたんだよ』
五条「そうそう。こんなにあっさり退くとは思わなかったけど……」
さすがの宿儺も縛りがある状態で五条先生との戦闘を避けたかったのか。
すぐに悠仁に戻ったことに驚く。
そういえば、宿儺は僕に話したいことでもあったのかな？なにか引っかかるんだよね……。
悠仁「そうだったのか……アイツ、人が寝てる間に体乗っとるなんて卑怯だろ！」
五条「悠仁は覚えてないのか、いや、いいんだよ。こっちの話さ」
A『(多分、五条先生も宿儺と悠仁の��縛り��には気づいているよね)』
作中でも言及していたし、これからの計画に特に支障はないと思う。
宿儺が悠仁に戻ったことで緊張の糸が切れたのか……また眠くなってきた。
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作者名：シュリィ | 作成日時：2023年5月7日 20時
