31．共振と猫 ページ31
悠仁を見送った後、恵は僕にも振り返り＿＿＿＿
恵「A、お前も虎杖と釘崎を追ってくれ。
こっちは想定よりずっと楽だ、吉野と2人でなんとかなる……！」
A『……いや、それはどうかな』
僕の後ろに飛び出してきた呪霊を��崩壊��で消し飛ばした。
皆んなに追い詰められていた呪霊は呆気なく僕の術式をくらい＿＿そのまま消滅する。
A『呪霊を倒したのに結界が閉じない。
それに、ずっと気になっていたことがあるんだ＿＿』
この結界……いや、領域内に入った時から感じていた、まとわりつくような濃い呪力の気配。
僕はこの気配をよく知っている。
あれだけ毎晩可愛がられていたんだから。
その中心である天井を見上げれば、そこから何かが這い出てきて＿＿
指の呪霊「＿＿！」ﾆﾀｧ
呪胎となっていた領域から不気味に笑う呪霊が生まれ落ちた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
恵「＿＿ッ！？
コイツは……少年院で見た宿儺の指の呪霊か！？」
僕は少年院の事件に行ってない。
でも、宿儺の指を取り込んだ呪霊がどんな姿をしているのか前世の知識で知っている。
目の前に現れたそれは作中で見た姿そのもので＿＿
A『少年院の任務に行った恵が言うなら間違いないんだろうね』
順平「宿儺の指って虎杖君が探してる特級呪物だよね？」
恵「あぁ。指を呪いが取り込めばより強くなる。
コイツらの見てくれは同じだが……いや、少年院で見た奴よりずっと強い＿＿！！」
恵の言葉に僕たちは気を引き締めなおす。
今のところ、指の呪霊はけたけたと笑い続けているけど＿＿
恵「虎杖が宿儺を受肉したのは6月＿＿八十八橋の1人目の呪殺も6月だ」
順平「じゃ、じゃあ……この事件は虎杖君が宿儺を呼び覚ましたから始まった……？」
恵「……これはきっと、��共振��だ」
順平も悠仁と宿儺の関係は知っている。
どうして悠仁が宿儺の指を取り込んだのか、『恵を守るため』という優しい理由だって聞いているはず。
こんなことで悠仁の責任を重くしたくない。
A『だったら、こいつを倒してこの連鎖を止めよう！』
恵「……そうだな。これ以上、虎杖に命を奪わせはしない！俺たちがここで止めるんだ」
順平「役に立てるか分からないけど。A君と虎杖君の為なら僕は……やれるよ！」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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作者名：シュリィ | 作成日時：2023年5月7日 20時
