4．メッセージと猫 ページ4
A『ん？……あれ、外が明るい？』
風呂に入って体を重ねたせいか。
いつの間にか疲れて眠ってしまっていたらしい、カーテンの隙間から朝日が差し込んできて隣で眠る真人の顔を照らす。
久しぶりに見た真人の寝顔が可愛くて僕は思わず手を伸ばした。
ふわふわな猫耳を触っていると＿＿
真人「……なぁに？俺の耳がそんなに気になる？」
A『っ……！起きてたんだ、その、寝顔が可愛くてつい』
真人「Aの声で起きたんだよ。
猫は耳がいいからね、飼い主の可愛い声は聞き逃さないのさ」
『昨日の恥ずかしい声も覚えてるよ』と、からかわれ頬が熱くなる。
だけど、何か忘れているようなと思い出していれば。
A『昨日といえば……！
叢雲と陀艮をアジトに留守番させたままじゃん！それに、高専も無断欠席しちゃったし』
スマホを確認したら、高専からの電話とクラスメイト達からメッセージがいくつか届いていた。
順平《A君、寮に帰ってきてないけど大丈夫？言ってくれたらすぐ迎えに行くから》
悠仁《おーい、Aー！順平達と五条先生が心配してるからこれ見たら返信くれよな！あと宿儺がうるさいからなるはやで頼む！》
恵《お前が無断欠席なんて珍しいな、何かあったのか？》
野薔薇《ちょっとA！あんた学校サボってんじゃないわよ！もしかして、事件とか事故に巻き込まれたんじゃないわよね？》
届いていたメッセージはどれも僕を心配してくれているもので。五条先生からは数十回の電話と長文のメッセージが届いていた。
真人の顔を見たらすぐ高専に帰る予定だったし、外泊許可も取ってないから皆んな心配してるみたい。
真人「そういやそうだったね。でも、1日くらい大丈夫じゃない？」
A『良くない！ほら、早く迎えにいこ……うわぁっ！？』
急いで着替えようとベッドから立ち上がろうとしたら。
真人「A……！」ｸﾞｲｯ
A「……っ、ありがと」
真人「昨日は無理させちゃったみたいだね。もう少し休んでからにしよ？」
久々に激しく求め合ったせいか、腰が痛くて転びそうになった所を、真人が支えてくれる。
今回は真人の言う通り、痛みが引くまでベッドの上でごろごろしてよう。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 143人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シュリィ | 作成日時：2023年5月7日 20時
