マリーの架空世界8 ページ8
「……引く訳、ないじゃん」
「……え?」
「それにさ、そんなに会いたいなら直接会いに行くよ? いつでも」
「いつでも……? 本当にか……?」
「うん、毎日でもいいよ? 僕大歓迎だし♪ それか、……2人で1つの部屋で一緒に生活ってのもあるけど」
カノはベッドに座っている俺の隣にドサッと寝転がり、頭の後ろで手を組みながらそう言う。
同じ部屋、か……。
「それもアリかもな。じゃあ早速そうするか」
「ヘッ!? 冗談半分だったんだけど……!?」
「じゃあやめるか」
「え゙っ……」
カノは身体を起こしてそう言った後、しょんぼりとした表情をした。
「嘘だ、今日から一緒に俺の部屋にいよう。てか、病院……」
「あ、そうだった!! つぼみ、背中乗って……って、軽!! つぼみをおんぶできて幸せだよ、僕……」
「いっ、いいから早く行け!!」
それから数10分後、病院に到着した俺達は看護師の後についていく。
「それじゃあ、ちょっと我慢してて下さいねー」
医者はそう言うと俺の鼻に綿棒を入れ、数秒後に出して「少々お待ち下さい」と言って診察室を出ていく。……数分後。
「インフルエンザではないですね、ただの熱です。あと、念の為注射をしておきましょうか」
「……え」
「つぼみ? どうしたの、寒い??」
注射……!? そ、そう言えばまだ予防注射してない……。
「左腕出して下さい。……あのー?」
「え? あ、はい……」
医者の右手には既に注射器があり、俺の左腕に先端部分が当たった。
「ひッ!! あ、あのっ……優しくやって下さいねッ……!?」
「……つぼみ、もしかして怖いの? 注射」
「そ、そんな事ない!! ここ怖い訳が――」
「ホンット、素直じゃないんだから。……僕が手、繋いでてあげるよ」
「〜〜っ、……あ、ありがと」
そう言って俺はカノの手を取り、手を繋ぐ。
俺はカノのおかげで無事に予防注射を終え、アジトに帰る事ができたのだった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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作者名:天ノ川夜月 x他1人 | 作成日時:2016年5月28日 13時