【カゲプロ】カノの溺愛事情。-猫目美青年と容姿端麗少女-*4.5* (ページ5)

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マリーの架空世界５ページ5

*キドside*

｢……ん｣

ここは……俺の部屋？確か、カノの部屋でカノを待っていてそれから――あぁそうだ、そのまま頭痛に襲われて倒れたんだ。
身体を起こすと、カノが隣で俺の手を握ってベッドの横の椅子に座って眠っていた。
そのカノの両目からは、少しだけ涙が流れている。

｢修哉……？何で泣いてるんだ……？｣

そう呟いて俺は、カノの頬や目尻にある涙を指で優しく拭い取る。すると、カノの口が少し開いて何かを言っている事に俺は気がついた。

｢……ごめ……ん……つぼみ……｣

耳を澄ませてみると、涙声でカノはそう言っている。
何が｢ごめん｣なのだろうか。
カノを見つめてそう思っていると、カノが目を覚ましてゆっくりと顔を上げた。

｢っう……あ、つぼみ!! 熱大丈夫!? 僕の事分かる!?｣

｢え？あぁ……てか、何で泣いてるんだよ｣

｢!! そ、それはっ……｣

カノは心配そうな顔でそう言った後、俯いて黙り込んでしまう。
何か言いにくい事でもあるのか？

｢僕……、つぼみが熱出てるの気づけなくてあんな事しちゃって……僕のせいなのかなって、思ッ――｣

｢修哉……、お前のせいじゃないぞ？俺も気づかなかったし｣

｢でっ、でもッ……!!｣

俺の手を強く握ってそう言うカノの目からは、ポロポロと涙が溢れ出している。その涙は、俺の手の甲へと落ちていく。

｢……修哉、そんなに気にしなくても――｣

グウゥ～……ッ。

『……あ』

そう話していると、俺のお腹が鳴った。時計を見ると、針は11時を指している。
昼食、まだ食べてなかったな……そう思っていると、カノは涙を拭って立ち上がった。

｢……つぼみ、今お粥作ってくるよ。お腹空いてたよねっ｣

｢え、でも修哉ってお粥……作れるのか？｣

｢うん、10月に僕が熱出した時につぼみが作ってくれたでしょ？あの後、お粥の作り方調べておいたから。だから安心して♪｣

カノはそう言って満面の笑みを浮かべ、部屋を出ていった。
それから数10分後、お盆にお粥と水を乗せたカノが来て再びベッドの横の椅子に座る。お粥には、醤油とかつお節が少しかかっていた。