第九訓 ページ10
『霊媒師?』
「あぁ、最近隊士が赤い着物の女に立て続けにやられてるだろう?その女の霊って話が出てきてな…もうそろそろ山崎が連れてくると思うからお茶の用意だけ頼んだよ」
『はーい。何人?』
「それがわかんないから急須に入れてるし何個か湯呑み置いといてくれれたら助かる」
『わかった』
赤い着物の女の霊ね〜…くだらない。そんなのいる訳ないのにいい歳した男どもがみっともない。
そんなのいる訳ないでしょう…。いる訳ない。
それにいたらいたでトシ兄辺りが退治してくれるし‼
*
『失礼します』
「おぉ、A!ありがとう‼」
『そちらの御三方が霊媒師さんですか?』
「あぁ、さっきざっと屋敷を見てもらった」
『そうですか…。皆さんどうかよろしくお願いしますね。隊士の皆さんが魘されているの…もう辛そうで見てられなくて…』
せっかく掃除が隊士持ちになったのに隊士の大半が倒れてまたこっちが掃除してんだよ。
「任せなさい娘さん…と言いたいところですがねこりゃ相当な霊の波動を感じますなゴリラ」
「あ 今確実にゴリラって言ったよね」
「まァとりあえず除霊してみますかね高くなるゴリよ」
何か…胡散臭。女の霊だっつってんのに工場長とか言い出すし…こっちの意見でコロコロ霊変わるし…。山崎さんにボディーブロー入れてるし…。喧嘩し出すし…。
『万事屋だし』
「「「あ」」」
やっすいお茶にしててよかった…。
「A。縄何処にあるか知らねーかィ?」
『総悟の部屋の箪笥でしょ?』
「何でお前が総悟の縄の在り処知ってんだよ」
『私だから?』
「お前ら昔からそういう謎の結託あるよな」
『歳近いからかな〜。あ、もうお茶片付けていい?』
「あぁ」
総悟が縄で万事屋を木に吊るしあげてる最中に万事屋に出したお茶を片付けに戻る。
何気に万事屋の女の子、初めて会ったな。
お茶を片付けた後、戻ってちょっと顔でも拝みに行こうかな…。あ、あとどら焼き渡そう。
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作成日時:2020年8月25日 16時