【WT】白砂糖は何グラム？【短編集】

もう少しだけ曖昧で【青】 ページ17

これのknさん視点



ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
数学の授業中。

黒板に羅列された数字に欠伸を噛み締めつつ、ノートにペンを走らせる。ちらり、と窓の外へ目線をやると他クラスの女子が体育をやっているのが目に入った。


……あ、いた。


そして自然と目で追ってしまうのは、ついさっき自分のジャージを借りていった彼女の姿。


「(……彼ジャー、なんつって)」


先に言っておくが彼女、Aさんとは別に付き合っている訳では無い。ただの部活の部員とマネージャーの関係である。が、好きな子が自分のジャージを着ている姿に言いようのない高揚感を感じているのも事実で。……だいぶ変態くさい思考回路だな、これ。


「では今日の授業はここまで」


気が付いたらチャイムの音と共に先生が授業終了の号令を掛けた。やば、ノートあんまかけてないや。後で誰かに見せてもらわないと…。




「ごめん、ちょっとノート見せてくんない？」

「いいけど。珍しいね、難しかった？今日のとこ」


隣の席の女子、Aさんの友達でさっきAさんがジャージを借りに来ていた彼女にノートを見せてくれないか頼むとそんな返事がかえってきた。


「いや〜、まぁ。ちょっとね」


そろっと目線を窓の方にやると、何かを察したのかノートを手渡しながら引いた顔をしていた。いや、それはちょっとひどくない？


「うわ、あんたまさか……」

「いやいやいや、そんな顔しなくても」

「付き合ってもないのに彼氏ヅラですかー？きんときさん」

「うっせ」


ノートを受け取って自分のノートに写しながら返事をする。


「早く告白しなよ。どう見ても両想いでしょ」


両想い…ね。

正直なところAさんはわかりやすいから、彼女の言う通り俺達は両想いなんだろう。Aさんと恋人になるのもそりゃ魅力的ではあるんだけど。


「もうちょっと俺のために頑張るAさんが見たいんだよね」


顔赤くしながら話しかけてくるAさんとかめっちゃ可愛い、なんて付け足せば今度こそドン引いた顔で借りていたノートを奪い取られた。ちょっとまだあと2行写せてないんだけど。

絶対的守護神【赤】→←怪我の功名【青】

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