検索窓
今日:9 hit、昨日:14 hit、合計:71,784 hit

尖らせ82 ページ22

青峰side









ゴム製の水槽の中で赤、黄色、白の金魚が泳ぎまわる。

すごく自由で、気持ちよさそうだ。


…俺も中に入ったら、このモヤモヤが晴れるのか。





そんなことを胸にまだまだ破ける気配のないポイを片手にじっと水槽を見つめた。









「うわ!破けた!!やわッスねー…」


「ちょっときーちゃん、ポイのせいにしちゃダメだよ!」


「ふん、普段から人事を尽くしていれば…」


「そう言う緑間っちのも相当ボロボロッスけどね」


「…。」









隣で同じく金魚を狙ってしゃがみ込む黄瀬がふてくされる。

そんな黄瀬に突っ込むさつきも、緑間も…その手にあるポイは濡れて破けてすでに仕えそうにない。


俺は自分のまだまだ切れてすらいないポイを再び構えて金魚をどんどんすくっていった。









「…。」









ふと、少し距離のある後ろの方でテツと沢渡が二人して何か話をしている様子が見えた。

瞬間、先程沢渡をおぶったときのモヤモヤとは違う…ドロドロとした感情を感じる。









「??大ちゃん?」


「おい、これ…袋につめてくれ」


「え。まだ使えるッスよ、そのポイ…」


「いんだよ。」









スクッと立ち上がった俺は金魚が入った袋を片手に、さつきたちの声を無視して二人の元へ駆け寄った。









「おーい、テツ!さわわわ!!見ろよ、すげぇ捕れたぜ!」









…と、

少しだけ表情に曇りがかかっていたテツが沢渡の腕をとって俺とは反対方向へと走って行ってしまった。

二人の姿がどんどん離れていく。




俺は目を見開きそれからしばらく目を離すことが出来なかった。







直後。









「ねぇ。向こうの社の所にさ…」


「そうそう。…怖かったね…大きいバイクがあってさ…」









隣を通りがかった浴衣の女二人のその会話が耳に入って来る。

俺は小さく舌打ちをして、さつきたちのいる金魚すくいの屋台に引き返した。

尖らせ83→←尖らせ81


ラッキーアルファベット

X


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (110 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
94人がお気に入り
設定タグ:黒バス , 黒子テツヤ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

猫男爵(プロフ) - ドSヒーローさん» いえいえ、コメントありがとうございます!^^ す、好きだなんて!!めちゃくちゃ嬉しいです^^ありがとうございます。 (2014年9月29日 21時) (レス) id: 0d3f3d8af7 (このIDを非表示/違反報告)
ドSヒーロー - いきなりなコメントすいません。。 俺この作品結構好きです。。 (2014年9月28日 23時) (レス) id: 6defaf6279 (このIDを非表示/違反報告)
♪涼雪♪ - 猫男爵さん» はーい!では、続編でお会いしましょう!! (2014年8月22日 7時) (レス) id: ec3ade301c (このIDを非表示/違反報告)
猫男爵(プロフ) - ♪涼雪♪さん» ありがとうございます!!頑張ります(>v<)q (2014年8月21日 22時) (レス) id: 0d3f3d8af7 (このIDを非表示/違反報告)
♪涼雪♪ - 猫男爵さん» 頑張ってくださーい!!応援してまーす!(≧∇≦)p(^-^)q (2014年8月21日 18時) (レス) id: ec3ade301c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:猫男爵 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2014年8月12日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。