尖らせ８１ ページ21
「…っ」
腕を引かれたまま後ろを振り向くと驚いて立ち尽くす青峰さんの姿が段々と遠のく。
私は状況を把握できないことからただただ走る黒子さんに合わせて足を動かした。
前には彼の水色の髪がはためいている。
「く、黒子さん…っ」
「…ハァっ、ハァっ！」
「ちょ、疲れてるんなら止まりましょうよ…っ」
屋台と屋台の間をすり抜けて走る。
声をかけても止まらない黒子さんに私は眉をひそめた。
景色が流れるように変わって、周りの人も全速力の私たちをチラチラと見始めている。
私はそれらを気にしながら、足を動かした。
・
・
「っ…ハッ、はぁ」
「…ケホッ、げほっ」
「だ、大丈夫ですか。」
人気のない社裏。
やっと足を止めた黒子さんに続き、私も手を膝について肩で息をした。
額にうっすら伝う汗をぬぐって、すっかり乱れてしまった浴衣と髪をなんとか直す。
そしてふと隣でせき込んでしまっていた黒子さんの背中をポンポンと撫でた。
彼は小さくありがとうございます、そう呟くとその場にうずくまってしまった。
「…。」
「…。」
…その場に沈黙がおりる。
聞こえるのは黒子さんのまだ荒い息と、セミの鳴く声だけ。
遠くの方では笛の音がなっていた。
ほんの少し。
少しだけ、
二人だけの空間みたいだ、なんて思ってしまう。
その時。
「…すみません、Aさん。」
「…なにがですか？」
「僕のせいではぐれてしまって…」
「…。」
いきなり黒子さんが顔を上げて私を見上げてきた。
その瞳は小さく揺れている。
きっと表情には出さないだけで、動揺しているのかもしれない。
そう思うと少しだけ笑ってしまう。
私は彼と目線を合わせるようにその場にしゃがみこみ、小さく口の端をあげた。
ラッキーアルファベット
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猫男爵(プロフ) - ドSヒーローさん» いえいえ、コメントありがとうございます！＾＾ す、好きだなんて！！めちゃくちゃ嬉しいです＾＾ありがとうございます。 (2014年9月29日 21時) (
レス) id: 0d3f3d8af7 (このIDを非表示/違反報告)
ドSヒーロー - いきなりなコメントすいません。。 俺この作品結構好きです。。 (2014年9月28日 23時) (レス) id: 6defaf6279 (このIDを非表示/違反報告)
♪涼雪♪ - 猫男爵さん» はーい！では、続編でお会いしましょう!! (2014年8月22日 7時) (レス) id: ec3ade301c (このIDを非表示/違反報告)
猫男爵(プロフ) - ♪涼雪♪さん» ありがとうございます！！頑張ります(>ｖ<)ｑ (2014年8月21日 22時) (レス) id: 0d3f3d8af7 (このIDを非表示/違反報告)
♪涼雪♪ - 猫男爵さん» 頑張ってくださーい!!応援してまーす！(≧∇≦)p(^-^)q (2014年8月21日 18時) (レス) id: ec3ade301c (このIDを非表示/違反報告)
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