#6☆ ページ6
「うわー、雨だね」
「嘘だろ……? 俺、傘持ってきてないのに」
「あ、じゃあ僕持ってるから一緒に入ろ?」
「あぁ……ありがとな」
カノはそう言って、鞄から折り畳み傘を取り出して開く。
「そいえばこれって『相合傘』って言うんだよね♪」
「!! っな、何で今言うんだよ!?」
変に意識しちゃうじゃないかっ……!!
「んー、……思い出したから?」
「それだけかよ。……あと、俺が持つから」
俺はカノが持っている傘を取り、再び歩き始める。
「え、でもこういうのは普通僕が――」
「いや、俺が持つ」
「……じゃあ、2人で持とうよ♪ これならいいでしょ?」
カノは俺が掴んでいる傘の柄の部分に手を重ねてそう言う。カノの手は俺の手より少し大きく、冬で雨の日だというのにとても温かかった。
「…………」
「……ダメ?」
そう言ってカノは、上目遣いで俺の顔を覗き込んでくる。
くそっ、可愛い……!! その可愛さを、少しでもいいから俺に分けてほしい。
「……ダメじゃ、ない」
「ん、そっか♪ いやー、やっぱり可愛いね〜♪ 反応も!」
「〜〜っ!!」
俺の右側を歩くカノはニコニコの笑顔でそう言う。
そして恥ずかしくて目を逸らした瞬間、バッと水溜まりの上を通ったトラックによって俺の身体はびしょ濡れになった。
「ありゃー、大丈夫……じゃないよね」
「はぁ……何で俺がこんな目に……」
溜め息をついてそう呟くと、カノが突然立ち止まった。
「? どうした、早く行くぞ」
「あ。〜〜ッ!!」
カノは俺をじっと見た後、顔を真っ赤に染めて目を逸らす。
「その、えっと……服、透けてる」
「は? ……うわあぁぁっ!! みっ、見るなぁッ!!」
そう言われて自分の身体を見てみると、さっきのせいで下着までくっきりと透けてしまっていた。突然起きた惨劇に、俺は鞄で隠す。
すると、包み込むように何かが俺を覆った。それは、カノの体育着のジャージだった。
カノの匂いだ……甘くてドキドキする、俺が好きな匂い。
「コレ着て。このまま帰る訳にはいかないし、他の男につぼみの……そんな姿見せたくないし」
カノは目を泳がせ、先程よりも顔を真っ赤にしてそう言う。
……やっぱり、カノは優しい。
俺はカノのジャージを着て、カノの方を向く。
「……ありがと、修哉」
俺はそう言って普段見せない満面の笑みをカノに見せると「可愛すぎるって……」と呟き、甘いキスをしたのだった。
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作者名:天ノ川夜月 | 作成日時:2016年5月22日 16時