第６４曲 ページ23
『そういえば、どうして衣更くんが此処に？』
あの後、中々起きない凛月くんを私の膝の上か
ら引き剥がしたものの、再び寝ようとする凛月
くんを懸命に起こしにかかっている衣更くんと
の２人のやりとりに苦笑を零しながら素朴な疑
問をぶつけてみる。
(何か急用があったなら申し訳なかった…)
衣更くんは私の問に思い出したと反応を示すと
困ったように笑った。
「凛月ならまだしも、彩ノ瀬まで午後いなかったから、心配になって探してたんだ…もしかしたら、凛月が迷惑かけてると思ってな〜…。まぁ、本当に迷惑かけてたみたいだけど」
「別に迷惑はかけてないけどねぇ…」
「お前なぁ…」
『そうなんだ…』
再びはじまった２人のやりとりをぼんやりと見
ながら衣更くんの言葉に頷く。
(心配して態々探しにきてくれたんだ…)
探してくれた衣更くんに申し訳ない気持ちにな
りながらも、どこか違和感をもって頭の中で衣
更くんの言葉を反復する…。
『(いなかったから…凛月くんならまだしも……いなかった……午後から……いなかった…？午後………"午後から"…いなかった！？)っ！！い、い、衣更くんっ！！』
「ど、どうしたんだ！？」
反復しながら、気づいた違和感の正体に、隣り
にいた衣更くんの両肩を思わずガッと掴む。
それにビクッと驚きながらも、聞きかえしてく
れた衣更くに私は恐る恐る口を開いた。
『い…衣更くん……ご、午後って…？』
「ご、午後って……授業のことだけど？」
『！？』
"やってしまった…！"
きっと、今私の後ろには稲妻が走ったに違いな
い。
前にも午後からの授業を受けなかったのに…こ
れで２回目…！
成績諸々がずんっとのしかかった気がする…。
どんよりとした空気を纏ってショックを受けた
ように項垂れる姿に衣更くんは苦笑を零した。
…しかし…何時までも自己嫌悪に陥っている場
合では無いわけで…。
浮上しているもう一つの問題を確かめるべく、
俯いていた顔をあげると、衣囊にいれていたス
マホを取り出す。
(目の端で衣更くんが急に顔を上げた私にびくりと肩を揺らしていた…)
『(やっぱり…)』
スマホを取り出しただけで分かるはメールを知
らせるランプの点灯で…ボタンを押して電源を
入れると、案の定、弟からたくさんのメールが
届いていた…。
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朔櫻 実桜(プロフ) - *神*威*さん» まだ秘密ですが……恐らく"あの人"です(笑） (2017年10月29日 22時) (
レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - *神*威*さん» ありがとうございます！！面白いと言っていただけるとは恐縮です！どちらかというと男主を書くことが多いので女主の話を書くことは慣れないのですが…ドキドキすると言っていただけてとても嬉しいです！更新これからも頑張ります！ (2017年10月29日 22時) (レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
*神*威* - 視線の正体って、“あの人”ですよね？(笑) (2017年10月28日 23時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
*神*威* - とても面白くて、読んでいてドキドキします！これからも更新頑張ってください(^○^) (2017年10月28日 23時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
オワタ - 朔櫻 実桜さん» 楽しみにしてます 真緒くんへ、ならば小一時間話そうではないか(＾言＾) (2017年2月19日 18時) (レス) id: 8f905062d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔櫻 実桜 | 作成日時：2016年6月29日 1時
