第５８曲 ページ17
「凛月！またお前は…！」
『り、凛月くん？おはよう…』
初めこそ誰か分からなかったが、目の前の衣更
くんの反応と、後ろから聞こえた声に凛月くん
だと気づいた。
「んー、おはよぉ〜…。…それより、桜雪夜更かししたんだぁ…あんまり夜更かしすると苦くなっちゃうから、睡眠はしっかりとったほうがいいよ〜…俺みたいにしっかり寝なくちゃ」
『？苦く？』
「お前の場合、睡眠のとりすぎだ」
…"苦く"とはどういう意味なのだろうか…。
意味が分からず聞き返すも、今日もまた始まっ
た衣更くんと凛月くんの会話にその疑問も埋れ
ていく。
「彩ノ瀬も、あんま遅いと体調にひびくぜ？」
『うん…でも色々やってると結局遅くなっちゃって』
「いっそのこと、お前に凛月の分の睡眠を分けてやりたいくらいだよ」
凛月くんから私へと標的を変えた衣更くんが、
睡眠についての注意をする。その姿は真柄母親
のようで…少し苦笑ながらも笑みを零してしま
った。
へらりと笑ったその姿に、不安を感じたのだろ
う…衣更くんがやれやれとため息を吐く。
「じゃあ、今日は桜雪が添い寝してくれるんだ？」
「なんでそうなるんだよ」
にんまりと笑って後ろから抱き締める力を強め
た凛月くんは衣更くんをからかっているのだろ
う…
すかさずベリッと凛月くんを剥がした衣更くん
をニヤニヤと笑っている。
キーン…コーン…カーン…コーン…
何時ものそんな光景に思わず笑っていると、会
話を遮るように鳴ったチャイム。
その音に生徒が各々の机へと着席していく…。
勿論、それは私達も同じで…、自身の席に衣更
くんが戻り、私も机へと向き直うとすると、凛
月くんは少し真剣な顔で私を見ていた。
『凛月くん？』
「セッちゃんのお気に入りと仲良いみたいだけど……そろそろ気を付けたほうがいいんじゃない？いくら普通の女子より腕力があるとは言っても、所詮男子には敵わないんだしさ…」
『え…？』
「よーし、お前ら席につけ〜」
突然告げられた警告…。
よく意味が分からずに聞き返すも、教室に入っ
てきた先生にそれもあえなく中断せざるを得な
く……号令の後直ぐに机に突っ伏してしまった
凛月くんに聞くこともできず…。
授業中も凛月くんの言葉の意味を考えていた私
に、凛月くんが横からそんな私をじっと見てい
たことなど、知るよしもなかった…。
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朔櫻 実桜(プロフ) - *神*威*さん» まだ秘密ですが……恐らく"あの人"です(笑） (2017年10月29日 22時) (
レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - *神*威*さん» ありがとうございます！！面白いと言っていただけるとは恐縮です！どちらかというと男主を書くことが多いので女主の話を書くことは慣れないのですが…ドキドキすると言っていただけてとても嬉しいです！更新これからも頑張ります！ (2017年10月29日 22時) (レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
*神*威* - 視線の正体って、“あの人”ですよね？(笑) (2017年10月28日 23時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
*神*威* - とても面白くて、読んでいてドキドキします！これからも更新頑張ってください(^○^) (2017年10月28日 23時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
オワタ - 朔櫻 実桜さん» 楽しみにしてます 真緒くんへ、ならば小一時間話そうではないか(＾言＾) (2017年2月19日 18時) (レス) id: 8f905062d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔櫻 実桜 | 作成日時：2016年6月29日 1時
