第５４曲 ページ13
「それにしても……何だか久しぶりに彩ノ瀬と話した気がするな」
「うんうん。最近は特訓特訓で…桜雪ちゃん達とは話す機会がなかったからね。…まぁ…僕に気力が残ってなかった…て言うか……」
そのままの流れで一緒に教室まで向かうことに
なり、仲良く３人で教室への道のりを進む。
下駄箱から教室へ向かうべく進み始めた頃…ふ
いに隣を行く私を氷鷹くんがしみじみと見つめ
て呟くと、遊木くんもそれに続いて、氷鷹くん
同様にしみじみと呟いて俯いた…。
＿なんだか…２人が一気に老け込んだように感じるのは気のせいだろうか……。
『えっと……氷鷹くん達の方はどんなかんじなの？』
心做しか哀愁を漂わせている２人へ、おずおず
と尋ねる。
すると２人はピタリと歩みを止めると……特訓
を思い出しているか、先程よりも暗い空気を纏
って自傷的に笑みを零した。
…何故だろう……２人の顔から生気を感じられない……
「嗚呼……特訓か……。」
「特訓ね……。」
『(だ…大丈夫かな…)』
特訓…双子に無理矢理…だとか…何度三途の川
を渡った…だとか…何やら不吉な事から諸々を
ブツブツと呪文のように吐き出す２人は最速自
分の世界に入っているようで……。
唯ならぬ２人の空気に思わず口を噤んだ。
『(聞いちゃいけないこと聞いちゃったかな…)』
「それより」
ﾋﾞｸｯ！
『は、はい！？』
２人の暗い空気に聞いてはいけないことを聞い
てしまったのではないかと…懸命に話題を転換
させようと頭を捻らせていると…この場の空気
を壊すように氷鷹くんの鋭い声が降りかかり、
思わずビクリと肩を揺らす。
何だと恐る恐る氷鷹くんを見上げれば、氷鷹く
んはにっこりと……。それはもうにっこりと優
しく微笑んで私を見下ろしている………が……
しかし………。何故だろう……その微笑みがと
ても怖く感じるのは……。
「彩ノ瀬」
『はぃい…！』
ここは柔らかく微笑むことが出来るようになっ
た友人の成長を喜ぶところなのだろうが、如何
せんその微笑みが怖すぎて素直に喜ぶことが出
来ない。
そんな笑みを浮かべたまま名前を呼んだ氷鷹く
んの声に情けない声を上げながら返事をすれば、
氷鷹くんは優しい声色で問いかけた。
「明星とお前達はどんな特訓をしていたんだ？」
『え…と…！』
氷鷹くんの凄い威圧に思わず後退する…。
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朔櫻 実桜(プロフ) - *神*威*さん» まだ秘密ですが……恐らく"あの人"です(笑） (2017年10月29日 22時) (
レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - *神*威*さん» ありがとうございます！！面白いと言っていただけるとは恐縮です！どちらかというと男主を書くことが多いので女主の話を書くことは慣れないのですが…ドキドキすると言っていただけてとても嬉しいです！更新これからも頑張ります！ (2017年10月29日 22時) (レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
*神*威* - 視線の正体って、“あの人”ですよね？(笑) (2017年10月28日 23時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
*神*威* - とても面白くて、読んでいてドキドキします！これからも更新頑張ってください(^○^) (2017年10月28日 23時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
オワタ - 朔櫻 実桜さん» 楽しみにしてます 真緒くんへ、ならば小一時間話そうではないか(＾言＾) (2017年2月19日 18時) (レス) id: 8f905062d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔櫻 実桜 | 作成日時：2016年6月29日 1時
