種田との接触 ページ8
マキマは《羊》を抜けて横浜をフラフラと彷徨っている内に、小さな喫茶店を経営する老夫婦に保護され、後に養子となった。
そうしてマキマは『Aマキマ』となり、便利上、原作キャラと接触する時はAと名乗る様になる。
＊
「さて、これから私は如何動こうかな」
マキマは与えられた自分の部屋の中で考えを巡らせる。
彼女は自身がマキマに成り代わっていると、そして文スト世界に生まれたのだと確信を得た時から、ある事を目標に生きてきた。
其れは、原作キャラの活躍を近くで見守りながらも、飽く迄も『お助けキャラ』的な立ち位置に居座る事。そう、例えるなら、某花の魔術師の様な『傍観者』でありながらも、困った時には颯爽と現れて助けてくれる感じの謎の強キャラ。
前世文ストオタクとして、原作キャラの活躍を其の目で見たいと思うのは当然の摂理だった。そして、ほんの少しでも彼らに関わりたい、と云う願望も。
其の為に、《羊》が解体された後に横浜から遠く離れた土地に追いやられるのを危惧して《羊》の構成員を辞めたのだから。
おまけに原作キャラに関わりたいと思いつつも、彼らの活躍を奪いたくも無い。だから彼女はポートマフィアにも武装探偵社にも所属するつもりはないのだ。
どちらに所属する事もせず、上手く『お助けキャラ』の立ち位置に収まる方法……か。
下の階から、老夫婦が「夕飯ができた」とマキマを呼ぶ声が聞こえる。思考の海から抜け出して、ふと窓の外を眺める。日はとっくに沈んで、空には太陽の代わりに月がポカンと浮かんでいる。
「……行動しやすくする為に、一寸だけ利用させて貰おうかな」
マキマは、今後の方針をある程度は決めたらしい。
まずは、今夜。今夜、あの人に会いに行こう。
マキマは其の顔に怪しげな笑みを浮かべると、夕飯を食べる為に下の階へと降りて行った。
＊
内務省異能特務課の最高指揮官・種田山頭火は、直ぐ其処にある飲み屋へ向かおうと歓楽街を歩いていた。
「こんばんは」
ふと、声が聞こえる。耳障りの佳い声だ。よく目を凝らすと、其処には中高生辺りの少女がいる。
気付かんかった。何時の間に。
そう考えている内に「こんばんは」と再び声を掛けられる。
「お嬢ちゃん、君みたいな子供が一人で出歩いて佳い時間帯じゃないで」
「私はマキマ。貴方に話があります」
人の話聞かんタイプか？
種田は面倒そうに顔を顰めた。
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はたりり(プロフ) - 面白くてここまで一気に読んじゃいました！！続きってありますか？楽しく待ってます！ (12月5日 20時) (
レス) @page12 id: 08a8bb82bf (このIDを非表示/違反報告)
息抜き(プロフ) - 猫さん» コメント有難う御座います！ 長い間更新できないでいて本当に申し訳ないです。 (2023年4月10日 22時) (レス) id: aff75be4a1 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 続き待ってました！！！更新ありがとうございます！！応援してます！ (2023年3月20日 7時) (レス) @page12 id: 846f3d2d4a (このIDを非表示/違反報告)
琉亜 - て (2023年2月24日 3時) (レス) id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
琉亜 - あ (2023年2月24日 2時) (レス) @page11 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：息抜き | 作成日時：2022年11月13日 6時
