8 つの願い【エレン】 (ページ6)

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〇March 30 ページ6

ハッピーバースデー私とエレン。
産まれてきてくれてありがとう。

そんなありきたりな言葉しか出てこないけど、すごく嬉しいんだよ。君と出会えて、君とこうやって誕生日を過ごせることが。

ほんとに、本当に幸せでたまらないの。
どうか、伝わりますように。

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「おはよう」

少し緊張しているエレンを微笑ましく思う。ただのデートなのに。誕生日というだけで何か特別な気がしているのはエレンだけじゃない。私だって。

「お、おはよう」
「なーに緊張してんの」

ぽんっと背中を叩く。「うっ」て声が聞こえたけど気にしない。少し強く叩きすぎたかもしれない。ごめんね。

「行こうか」
「そ、そうだな」

ねぇちょっと、手と足一緒に出てるよ。大丈夫かな、こんな調子で一日なんて。エレンがあまりにもおかしいから笑いがこみあげてきた。

「なっ、笑うなよ」
「だってエレンがおもしろくて」
「んんん」

拗ねたようでそっぽを向く。だから私はエレンの手を握って歩き始める。耳が少し赤かったのは見なかったことにしてあげるね。

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