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がたんごとん。
電車に揺られること1時間弱。もはやここがどこかは分からないが、景色は山や田んぼ、川も見える。のどかな田舎風景だった。
『間もなく終点、終点ですーーー』
電車の扉が開く。私たちは電車を降りて、辺りを見渡す。
「いいねぇ、落ち着く」
「そうだな」
「都会は疲れるよね」
「だから好きだなぁ、こういうとこ」
私たちはあてもなくふらふらと歩く。都会と違って時の流れがとても遅く感じる。川の上流ということもあってか、とても綺麗な水が流れていた。
「俺たちのとこにくる水は濁ってるのになぁ」
「仕方ないよ」
エレンは子どもみたいにはしゃいで川で遊んでいた。ああ、川になんて入ったら制服濡れちゃうよ。
「おりゃっ!」
「つめたっ、」
「Aも遊ぼうぜ!」
「…仕方ないなぁ」
お互いに制服はびしょびしょになった。生憎、タオルやら着替えやらは持ち合わせていないけど。あったかいから自然乾燥させることにした。
「あー、久々に楽しかった」
「だろだろ?たまにはいいだろ」
「そうだね」
川原で寝転ぶエレン。服が濡れているから草が沢山ついていた。まぁ、ほっとこう。
そこで私はふと、
「そうだ、5つ目のお願い、いいかな」
「おうよ」
『私のこと、愛してると言ってください』
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作者名:nana. | 作成日時:2019年1月8日 21時