旅館『松野』の複雑な事情【逆ハー】 (ページ7)

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〆事情6 ページ7

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一「おい、手ぇ止まってんぞ」

冒頭からギロッと睨まれた。

「す、すみませんっ」

慌てて作業を続行。

ちょっと疲れて休憩しようと手を止めるのは、どうやらタブーのようで。

一松は結構厳しい性格。

新人だろうが女子だろうが学生だろうが関係なしって感じ。

あれかな？受けの時とのギャップ的な？

お「Aちゃーん、イチまっちゃーん、そろそろ休憩ドウゾ～」

しばらくして、おそ松の陽気な声がとんでくる。

はい、とだけ返事した私は即休憩モード。

お「Aちゃん、ずっと立ちっぱなしキツくなかった？ゆっくり休憩してね？」

「あ、はい。お構いなく」

休憩室とやらに行こうとする私の隣をおそ松が心配そうな顔してついてくる。

一見優しそうに見えるけど…。

私は分かってる。

私を辞めさせない、いや、逃がさない為の策略。

きつい態度をとらず優しく優しく接して私にとっての居心地を良くしていくため、演技をしているのだろう。

そりゃそうだ。

向こうにとっては私はこの旅館の事情を知る爆弾のようなもの。

少しでも居心地を良くしておけば、私が逃げる確率が減るわけだ。

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久ｯｯｯ々の更新。