Trauer 45 ページ46
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それに構うことなく、小南先輩に美桜先輩が絡みに行く。
これで、終わりになるかなと思ってみていると小南先輩は「あたしに構ってないで、作戦練ってきなさいよ!」と美桜先輩に怒っているので、多分作戦会議は続行だ。
「ん? A、あんた元気ないわね?」
「えっと……」
「吐きなさい」
ジトリとみられてたじろいでいると、凌先輩たちもこちらを見ていて白状しないわけにもいかないかと悟る。
「えっと、匡貴くんってそんなすごい人だったんだなって……」
従姉妹だからこそ知れないこと、なんて山ほどあるだろうけれど。
それでもやっぱり少し、寂しいような気がしていた。
「あんたも十分凄い人でしょ? なんてったって、ボーダー最強部隊のこの玉狛支部の一員なんだから!」
「!」
「そ れ に! 第二のメンバーだけでもA級に上がれるくらいの実力は持ってるわよ」
「へ?」
なんでも、旧ボーダー時代から訓練を受けている第二のメンバーは第一には劣るが精鋭隊員に変わりはないのだとか。
第二のメンバー全員が副作用持ちとか、誰にもわかんないわよと小南先輩は笑った。
確かに周りにはいるような気になっていたけど、実際母数を考えると少ない方なのに一部隊全員が副作用持ちなんて初見殺しにもほどがある。
「これ以上ないくらい、頼もしいですね」
「でしょ!」
まるで自分のことのように、誇らしげにする小南先輩に笑った。
隊長を任される不安はやっぱりあるけれど、精一杯頑張ろうという気持ちにはなれて。
作戦会議の続きをしようと振り向いた時に隊員が顔を抑えて仰いでいたのはちょっと意味が分からなかった。
──((やっぱり、うちの隊長が一番))
──「……何してるんですか?」
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作者名:猫鞠 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=neconuco
作成日時:2021年3月7日 1時