Trauer 44 ページ45
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「そうだ、鳥羽隊として再編成されることになったから今までのチームランクは考慮されないからね〜?」
再編されるのだから、それもそうだよなとぼんやり思っていると、先輩たちが嫌そうな顔になる。
「あー………」
「また一からランク戦かぁ……」
なんだか、先輩方が急にやる気をなくしてしまった。
疑問を浮かべていると補足するように帆波さんが説明してくれる。
「あ、ランク戦は前期の成績を基に同レベルの人たちと戦うように組まれるの」
「でも、再編されたチームに今までのランクが考慮されないから私達下位タイから始まる」
「別に問題ないような……」
「大ありよ! 雑魚ともイレギュラーとも戦って上位に上がらなきゃいけないわけ!」
雑魚……ということはずっと下位にいるチームと新設されたチームを蹴散らして上に上がらなければいけないということなんだろう。
上位に残るのも現在はかなり厳しい状況にあるのだとか。
しかも元々の隊のランクは、かなり上位にあったことを考慮すると相当な痛手。
「そっか、匡貴くんの隊も歌川君の隊もB級だから……」
「うぇ!? 二宮さん隊組んだの!?」
いやそうな声を上げる美桜先輩に頷く。
匡貴くん率いる二宮隊は四人編成のチームだ。
中距離二人、近距離一人、遠距離一人の構成。
対して歌川君の隊、風間隊は三人編成だとも聞いたし、ステルス特化とも。
歌川君とは本部で何度か手合わせをしたがB級と思うと少し手古摺る感じだ。
「風間さんは攻撃手としても上位の人だな」
「二宮先輩は、元A級の東隊の一人で隊長の東さんは今は隊を解散してソロだけどめちゃくちゃ苦戦を強いられるくらい策を練るのが上手いわ」
「そ、そんな人の部下だったんだ」
あの匡貴くんが苦戦を強いられているというのも、なかなか珍しいような気もするけれどそれにしたってそんなすごい人の部下だったんだと思うと、急に遠い人のように思えてきてしまった。
そっか、身近なひとが遠い人になるってこんなに寂しいんだ……。
「なに、此処で作戦練ってんの?」
「小南先輩」
そんなことを思っていると買い物袋を引っ提げて、リビングに入ってくる。
私達が作戦会議中だと分かると嫌そうに顔を顰めた。
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作者名:猫鞠 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=neconuco
作成日時:2021年3月7日 1時