Trauer 31 ページ32
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「え、B級にもう昇格したの?」
色々あった正式入隊日から2週間。
突撃銃のポイントが4000溜まったことで昇級することになったのだ。
散々いろんな人に挑まれまくったけど、負け星は一つもつかなかった。
友子先輩も文香ちゃんとも相手になったけど、結局のところ負け星は零だ。
相性良いんだよね、攻撃手と銃手。
さらに言えば美桜先輩との手合わせのお陰で攻撃手相手の動きもある程度わかるから真面に渡り合えるし。
「はい、C級上位の人が挑んできましたが返り討ちにしてたので」
「あー」
「でも、何はともあれB級おめでと〜」
「これで正式に、玉狛第二のメンバーね」
と、美桜さんはいうものの凌先輩は現在先生から呼び出しを食らっているらしく、まだ玉狛支部には帰ってきてはいない。
わくわくした手で、帆波先輩に訓練室の場所に行くと換装してみて〜と言われる。
意味が分からないままトリガーを使えば、視界に映る私の服はいつものC級の服ではなく──。
美桜先輩たちと同じ黒を基調とした青紫がアクセントになっている隊服だった。
手には美桜先輩と同じ手袋。
だけどワンピースに短パンを合わせたような隊服の美桜先輩とは違う、凌さんとよく似たインナー+シャツというような隊服。
ただし、ズボンではなくハーフパンツにタイツだ。
追いつきたいこの人たちとよく似たこれが私の隊服なのだと思うと、認められたような気がして酷く嬉しかった。
「そういえば、凌がアンタに用があるって言ってた気がする」
「……何でしょう?」
「…………まあ身構えなくてもいいと思うわ」
そう告げた美桜先輩はどことなくやるせないような顔で。
不思議に思いながら話していると、そこに噂をすればなんとやら。
凌さんが顔を出す。
「ちょっといいか?」
「あ、はい」
そういう凌さんの顔はどことなく寂し気で、真剣で私はトリガーを解除して呼び出されるがまま彼の背を追った。
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作者名:猫鞠 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=neconuco
作成日時:2021年3月7日 1時