Trauer 03 ページ4
(お願い、言うことを聞いて…………!)
そう思う気持ちとは裏腹に、これまでの逃走で疲弊した足が仕事放棄するばかりで立ち上がれそうにもない。
今にもあの化け物の大きな地響きを伴う「ズゥン」「ズゥン」という音が近づいてきているのに……!
逃げなきゃと私は必死の思いで壁に近づいて、痛む足を無視して立ち上がる。
__なのに。
私の頭上から
「え」
大きなその口のような部分を開けて、ぎょろりとしたその目のような物と近距離で目が合う。
(あ、たべられ___)
そう思った次の瞬間。
「────旋空!!!」
その声とともに、大きな音と風圧が私を襲う。
とっさに身を縮こませて体を庇いながら目を瞑っていたが、低く重い音を響かせながら崩れ落ちる音にそっと目を開けるとネイバーは完全に沈黙していた。
その事実に呆然と見ていると、目の前に赤髪の女の子が降り立つ。
「ちょっと、
「ネイバーの動きがおかしかったからな、まさかと思って先行したまでだ」
「アンタね…………!」
私を挟んで行われる口論に思わず呆けてしまった。
ふと後ろから斬撃を飛ばしていた人を振り返ると、黒髪の人と目が合う。
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作者名:猫鞠 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=neconuco
作成日時:2021年3月7日 1時