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Trauer 26 ページ27

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「あぁ! ごめん。俺は犬飼澄晴、高一だよ。で、どうする?」


「私は鳥羽A、中二です。で、あの……」



B級の人からランク外戦を持ちかけられること自体そうないし、やりたい気持ちはある。

けれど、この後の予定的には戦闘ができるほど時間の余裕は残念なことにない。


どう断ろうと考えていると、犬飼さんの後ろから声が。



「おい」


「あれー、隊長に辻ちゃん?」



…………本当にボーダーの隊員だったんだなぁ、とぼんやり匡貴くんと犬飼先輩と話すのを眺めた。

どうやら犬飼先輩は同じ隊らしい。

確かに彼ならコスプレみたいで嫌だとか言いそうな気がする。


見られていることに気付いたのか、こちらを見て「A、時間じゃないのか?」と匡貴くんに聞かれる。


慌てて確認すればそろそろ向かわないとまずい時間で、情けない声が漏れる。

だけどもう一つ情けないことを言うなら、今日が入隊式で医務室の場所が分からない。

ワタワタとトリガーを解除して、どこかに地図がないか見渡していたら──。


ぽすりと何かが降ってきた後に、「こっちだ」とさっさと歩いていってしまう。

案内してくれるらしいのは正直助かる。


慌ててその場にいた人たちにお辞儀をしてから彼の背中を追いかけた。






「あんな隊長初めて見たわー。辻ちゃん何か知ってる?」

「あぁ、従兄妹って言ってましたよ」

「まじー? どおりであの子飛び抜けてると思った」



後ろでそんな会話がなされていた事など私に知る由もなかった。




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作者名:猫鞠 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=neconuco  
作成日時:2021年3月7日 1時

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