Trauer 21 ページ22
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「でも、勘で当てられるのも可笑しいわよ。…………まって、今まで攻撃どうやって避けてた?」
「え? 感覚ですかね。こうしないと危ないっていう勘もあったとは思いますけど」
そう告げると、美桜先輩はあんぐりと口を開けて固まってしまった。
困って凌先輩を見上げると少し考えてから私に「後ろを向け」と告げてくる。
戸惑いながらも、後ろを向く。
「よし、今からコインを投げる。そのコインは表と裏どっちになる?」
「え? 表、ですかね?」
そう言うと、後ろでコインの投げる音がする。
しばらく無言が訪れて気まずいまま、そのままでいたら「今度は五回投げるから最初から順に言え」と言われて面食らう。
勘に任せて表裏を言ったのち、五回のコイントスの音がした。
まだこのままでいた方がいいのか、固まっていると「全部あたってる」という美桜さんの感嘆の声。
「勘がいいってレベルじゃないな。お前今までに勘を使って何回、外したことある?」
「記憶にたがわなければ外したことはないはずです」と答えると、二人は顔を合わせて頷く。
一体何なんだと怪訝に思っていると。
「本部で調べて貰えばはっきりすると思うが、お前のそれ────副作用の可能性あるぞ」
その言葉に、私の思考は停止した。
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作者名:猫鞠 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=neconuco
作成日時:2021年3月7日 1時